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第153話 ∥

……びっくりしたぁ。 まさかリオネスに会うとは思わなかった。 いや王族とはいえ、リオネスも試験を受けるから会う可能性はあったんだけど、こんな急に会うとは思ってもみなかった。 俺は気持ちを落ち着かせようと軽く深呼吸をした。 それに…… 俺はチラッと後方に座るリオネスたちに視線を向けた。 俺が視線を向けたのはリオネスの隣に座る人。 こうして見ると、父親のラウスさんにそっくりだな。 ……さっきすれ違った時のあの視線、あれは明らかに『敵意』だよね。 ロンドとまともに会ったのは今日が初めてだった筈だけど、俺…ロンドに嫌われてるのかな。 そんな事を考えていると、試験官が教室に入ってきた。 その瞬間、皆の話し声がピタッと止んだ。 試験官が今日の日程を説明する。 試験を受ける人たちは真剣な面持ちで耳を傾けていた。 ………すごいな、皆の気合いが伝わってくる。 この感じ、高校の入試みたいだ。 そう思ったら、懐かしさで口元が緩んだ。 一通り説明が終わると、問題用紙が配られる。 全員に行き渡ったことを確認した試験官が『始め!』と声を上げると、皆が一斉に問題を解き始めた。 その光景はますます高校入試みたいだった。 座学の試験が終わって、俺は早々に教室を出た。 教室を出る時、リオネスが言いたそうにしていたけど、試験が終わると同時にリオネスが他の人たちに囲まれてしまい、結局話すことが出来なかった。 でもあまりリオネスとはあまり関わるつもりは無いから、これで良かったのかもしれない。 そう思って、俺はシャロウネたちとの待ち合わせ場所の校舎入口に向かった。

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