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第165話 ∥

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        Sクラス 1、ディラント・グロウ 2、リオネス・ディーク=エクレール 3、アクア・ロミス  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ …………アクア・ロミス? アクア・ロミスはイノラバのヒロインの名前。 何でアクアの名前がここにあるんだ? アクア・ロミス 元孤児院育ちで、魔力に目覚めてその魔力量からロミス男爵に気に入られて養子になる。 それを切っ掛けにエクレール学院に入学して、攻略対象たちと恋愛物語を繰り広げる。 でもアクアが入学するのは来年の半ばの筈。 同姓同名?……いや、それは有り得ない。 「……ィー…」 この世界で同姓同名は有り得ない。 貴族ともなれば尚更だ。 家名はその家の者である証、他人がその家名を名乗る事なんて出来ない。 じゃあやっぱり、このアクア・ロミスはイノラバのヒロイン本人? 「ディー!」 俺がグルグルと考えていると、シャロウネに呼ばれて腕を掴まれる。 俺は思わず体が跳ねた。 「……ぁ…」 見るとシャロウネが心配そうに覗き込んでいた。 「どうしましたの?」 「……いえ、何でもありません」 俺はもう一度順位表を見た。 今までストーリーが変わってたことは沢山あった。 アクアが早く入学することは多分些細な事なんだと思う。 でも何故だろう、何となく胸騒ぎがする。 「ディラント・グロウ様ですね」 そんな事を考えていると、学院の人に呼ばれた。 一位を取った人は入学式で新入生代表の挨拶をしなきゃいけないらしい。 その段取りの説明をするために呼ばれた。 「シャーネ、行ってきますね」 「はい、門の所で待っていますね」 「分かりました」 俺はもう一度順位表に視線を移した。 さっきの胸騒ぎを思い出して胸を押さえた。 ……気のせい、だよね。

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