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第181話 歓迎パーティー
入学式は恙無く進み、何事もなく終わりを迎えた。
俺も無事に代表の挨拶を終えた。
挨拶の緊張から解放された俺は、気が抜けたのか、後半はあまり覚えていない。
ただ、思いがけない国王の挨拶だけは皆の気が引き締まったと思う。
まぁ、新入生に王子であるリオネスが居るから、国王が参加しているのは不思議じゃない。
国王が挨拶をしている時に目が合ったと思ったのは気のせいだと思いたい。
午前中で入学式を終えた俺たちは早々に退場して寮に戻る。
入学式が早く終わるのは、その後の歓迎パーティーの準備の為だ。
パーティーの準備っていうのは、主催側じゃなくて参加側の方だけど。
男性は兎も角、女性は準備に時間がかなり掛かる。
入学式が午前中に終わってパーティーが夕方からだとしても、時間はギリギリだ。
シャロウネも式が終わると同時に早々に寮に戻っていった。
「ディラント」
俺も寮に戻ろうと思った時、リオネスに呼び止められた。
「殿下」
「今日は素晴らしい挨拶だった」
そう言ってリオネスが微笑む。
「…ありがとうございます」
改めて言われると恥ずかしいな。
「…ところで」
リオネスの目が若干ウロつく。
「パーティーへは誰かと参加するのか?」
「シャーネと参加します。エスコートを頼まれたので」
「シャロウネ嬢か……そうか…」
どこか気落ちしたように見えたリオネスに、俺は首を傾げた。
「殿下?」
「……出来ればで良いんだが、僕の相手もしてもらえると、嬉しい」
リオネスは少しモジモジして顔を赤らめながら言う。
「いや、僕もあまり知り合いが居る方ではないから、ディラントが話し相手になってくれると有難いと言うか何と言うか……」
いつもは完璧な皇太子を装っているリオネスがワタワタと弁明をする。
俺はそんなリオネスが年相応で可愛く見えて、思わず笑ってしまった。
「ダンスの後は時間があるので、その時で良ければ」
そう答えると、リオネスの表情が一気に明るくなる。
「それで構わない、楽しみにしている」
そう言って嬉しそうに笑うリオネスを見て、俺も自然と笑みが零れた。
リオネスとは『また後で』と言って別れて、俺も寮へと戻った。
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