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第191話 Sクラスの役割
入学式と歓迎パーティーが終わって、1日休みで、漸く本格的に学院生活が始まる。
俺は慣れない事の連続で、既にくたくただ。
シャロウネに連れ出されてパーティー会場を出た後、寮に戻った俺は着替えを済ませて倒れるように眠ってしまった。
起きると昼を過ぎてて、アランとラジールに心配された。
昨日1日ゆっくりして、なんとか体調は戻った。
「ディー、大丈夫ですか?」
一緒に登校中のシャロウネがそう言って心配そうに見てくる。
「昨日1日ゆっくりしたので大丈夫ですよ」
そう言って笑い掛けると、シャロウネは安心したように微笑んだ。
俺とシャロウネは学院までは徒歩で向かう。
本来は馬車を使うのが一般的だけど、寮から学院までは徒歩でも15分くらいで、馬車を使った方が時間が掛かる。
それに俺もシャロウネも歩く方が好きだったりする。
学院に着くと、Sクラスの教室に向かう。
途中、他の生徒がキャアキャア騒いでたから何かあったのかとシャロウネに聞くと、シャロウネに呆れられた。
俺は訳が分からず首を傾げた。
教室に入ると、もう数人が登校していた。
……アクアはまだ来てないみたいだな。
入学式にも来なかったし、歓迎パーティーにも居なかった。
「ディラント、おはよう」
そんな事を考えていると、後ろから声を掛けられた。
振り返ると、リオネスとロンドが居た。
「おはようございます、殿下」
そう言って俺は胸に手を当てた。
シャロウネも俺の後ろでスカートを広げる。
「これからはクラスメイトだ、堅苦しい挨拶は止めて欲しいのだが」
そう言うリオネスをチラッと見ると、皆からは見えないようにパチンとウインクをした。
……これは『殿下』としてではなく、『友人』として接しろってことかな。
「……分かりました。ではクラスメイトとして接しさせてもらいます」
俺はリオネスの後ろで微妙そうな表情をしているロンドに視線を向けた。
「いいですよね、ロンド様?」
そう言ってロンドに笑い掛けると、リオネスもロンドに視線を向ける。
「ロンド、構わないか?」
リオネスもロンドにそう聞く。
「……なぜ私に聞くのですか?」
そう言ってロンドは嫌そうな表情をする。
「ロンド様は殿下の側近ですよね?だからロンド様にも許可をとった方が良いかと」
まぁ、俺の場合はちょっとした嫌がらせだけど……
ロンドは睨んでくる他に、俺がリオネスに近付くと微妙そうな表情をするから。
リオネスが俺にノってくるとは思わなかったけど。
ロンドが小さくため息をついた。
「好きにすれば良いじゃないですか」
そうロンドが呆れたように呟く。
そんなロンドを見て、俺とリオネスは思わず笑ってしまった。
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