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第207話 ∥
待ち合わせ場所につくと、既にシャロウネが待っていた。
「シャーネ、すいません、少し遅れてしまいましたか」
シャロウネに駆け寄ると、シャロウネはにっこり笑う。
「大丈夫ですわ、私が少し早く来すぎてしまっただけですから」
そう言うシャロウネに、俺はホッと息を吐いた。
「シャロウネ嬢、突然僕たちまで来てしまって申し訳ない」
俺の後ろに居たリオネスがシャロウネにそう言う。
「とんでもございません。私こそ、殿下と一緒に食事が出来るなんて、とても幸栄ですわ」
そう言うシャロウネに、リオネスも安心したようだ。
「……ところで、シャーネは一人なんですか?リーナさんは?」
俺はリーナさんが居ない事に気付いて、シャロウネに聞いてみる。
「リーナには留守番をして貰ってますわ」
その言葉に、俺はシャロウネが一人だと確信する。
「シャーネ、いくら学院都市内でも一人は危ないですよ」
そう言うと、シャロウネはクスクスと笑った。
「心配要りませんわ」
シャロウネは『それに』と続けて、顔を寄せてきた。
『例え襲われても、私ならどうとでも出来ますわ』
と耳元で囁いた。
それがどういう意味なのか、俺にはすぐに分かった。
シャロウネは幼い頃から今まで、俺と一緒に魔法の訓練をしてきた。
俺のために学院では隠してるけど、シャロウネも俺と同じ複合魔法が使える。
しかも、魔力の強いシャロウネは俺よりも遥かに強力な魔法を使う。
そんじょそこらの人ではシャロウネには敵わないだろう。
それでも…
「やっぱり一人は危ないです。今後は俺が付き合いますから、一人で行動しようなんてしないでください」
そう言うと、シャロウネは何故か嬉しそうに笑った。
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