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第211話 ∥

あれからオルトは幾度となく俺の所に来た。 断っても断っても何度も『勝負をしろ』と乗り込んでくる。 こうもしつこいと、流石に鬱陶しいな。 そう思って、俺はため息をついた。 「オルトに追い掛けられてるみたいだな」 生徒会室でリオネスが笑いながらそう言う。 「笑い事じゃないです。殿下からやめるよう言ってもらえないですか?」 「いくらリオでもオルトは止められない。やめるとしたら、あいつが納得した時だな」 横からロンドがそう言う。 脳筋め! 「一度勝負をしてやれば良いんじゃないのか?」 『勝負すれば納得するだろう』とリオネスが言う。 「嫌です、あの手のタイプは何かと理由をつけて再戦を申し込んできます。そうなったらキリがない」 そう言うとリオネスもロンドも苦笑いを浮かべた。 二人とも否定しないって事はそういうことなんだろう。 「二人はオルト様と幼少からの付き合いだと聞いたんですけど、二人から見たオルト様ってどんな方なんですか?」 リオネスとロンドにそう聞くと、二人は顔を見合わせた。 「あのままだ」 とリオネスが言う。 「良くも悪くも一直線だな」 とロンドも言う。 やっぱりオルトは誰から見ても脳筋の戦闘バカらしい。 少しは解決の糸口になるかもと思ったけど、何の参考にもならなかった。 そう思って、俺はため息をついた。

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