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第218話 ∥

説明し終えると、みんな納得してくれたみたいだった。 「体を鍛えるのも大事ですけど、自分にあった武器を使わないと怪我じゃ済まないですよ」 そう言って、俺はオルトが持っていた大剣に触れた。 ゲームでのオルトは大剣を持っていた。 ロングソードを構えた時に感じた違和感は、オルトの武器が違ったからなんだ。 「……俺は大剣に替えた方がいいのか?」 そう言ってオルトが大剣をじっと見つめる。 「それは重さ重視で渡したものなので、無理に替えなくても…… ただロングソードを使うのであれば、体の動かし方とかを変えなくてはいけないと思います」 そう言うと、オルトは考え込んでしまう。 「色々試してみるのも有だと思いますよ」 そう言うと、オルトは更に考え込んでしまう。 無理もない。 武器を替えるにしろ、同じものを使うにしろ、今までのやり方が通用しなくなる。 今までやってきたことが無駄になる訳じゃないけど、また1からとなると話は別になってくる。 幼少からやってれば確実に癖がついてるだろうし…… それを変えようと思うと並大抵の努力じゃ出来ない。 「……あの、オルト様…」 「よし決めた!」 声を掛けようとした瞬間、急にオルトが声をあげてパンッと手を叩く。 「これからディラントに指示を仰ぐ!」 「……は?」 なんだ、指示を仰ぐって…… 「……えっと、それはどういう?」 「ディラントに教えを請えば、もっと強くなれる気がする!」 そう言ってオルトがグッとこぶしを握る。 ……は!? 「いやいや、俺は剣が扱えないんですよ!?教えるなんて無理です!」 「問題ない、これから宜しく頼む」 そう言うと、オルトはニカッと笑った。

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