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第226話 ∥

「話を戻しますけど、殿下はなぜうちに?」 俺は未だにルオを撫でているリオネスに再度聞いてみた。 そうすると、リオネスの動きが止まった。 「……あー…」 リオネスが少し動揺したように目を泳がせる。 俺は普段見ないようなリオネスの態度に首を傾げた。 「……ディラントはこの火季休暇は何か予定が入っているのだろうか?」 リオネスがこちらを伺うように聞いてくる。 どことなく緊張しているみたいで、その手は緊張を紛らわすみたいに仕切りにルオを撫でていた。 「……予定ですか?無かったと思いますけど……」 俺は確認するようにシャロウネを見た。 それに気付いたシャロウネが少し考える素振りをする。 「……そうですわね、これと言って無かったはずだと」 「それがどうかしたんですか?」 「来月から避暑地に行くんだが、二人も招待しようと思ったんだ」 『どうだろうか』と言うリオネスに、俺とシャロウネは顔を見合わせた。 「避暑地というのは、王族が所有いている所では?そのような場所に私たちが行っても宜しいのでしょうか?」 王族が所有いているということは当然王族専用で、俺たちがおいそれとは近付ける場所ではない。 「それは問題ない。父上にも許可は取ってある」 そう言ってリオネスがもう一度『どうだろうか』と聞いてくる。 リオネスの話を聞くと、俺たちの他にロンドとオルトも来るらしい。 俺は少し楽しそうと思ってシャロウネを見た。 そうすると、シャロウネも小さく頷いた。 俺たちは父様に確認してから返事をすると返して、その場は解散となった。
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