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第233話 遭難

早く目覚めた俺は、散歩がてら近くの森を歩いていた。 昨日俺が力尽きて動けなくなってからは、ルオと遊ぶ事を皆に禁止されてしまった。 それでも物足りないといった様子のルオをリオネスとオルトが相手していた。 流石と言うべきか、二人はルオとまともに渡り合っていた。 とはいえ、お互いに怪我をしたら困るから、色々と制限は掛けていたけど。   リオネスとオルトはルオを相手していてすごい楽しそうだったけど、ロンドがオロオロとしていた。 リオネスが怪我しないか、気が気じゃなかったんだろう。 俺はその時のロンドを狼狽えようを思い出して笑ってしまった。 「ディラント?」 そんな事を考えながら森を歩いていると、後ろから声を掛けられた。 見るとオルトが立っていた。 「オルト、おはようございます」 「あぁ、おはよう」 そう言ってオルトが駆け寄ってくる。 「ずいぶん早いんだな」 「目が覚めてしまったので」 俺はオルトの手元をチラッと見た。 オルトの手には木剣が握られていた。 「オルトは素振りですか?」 「あぁ、日課だからな。ディラントは?」 『どうしてここに?』とオルトが聞いてくる。 「目が覚めて暇だったので散歩でもしようかと」 「ルオは一緒じゃないのか?」 そう言ってオルトはキョロキョロと周りを見回す。 「ルオはまだ寝ていたので、置いてきました」 「それは、ルオが拗ねそうだな」 そう言ってオルトはクスクスと笑った。 「帰ったら思い切り相手をしますよ」 「また倒れないようにな」 呆れ気味に言われて、俺は苦笑を漏らした。 「善処します」 俺がそう言うと、オルトが少し視線を逸らす。 「……ところで、散歩、俺も一緒していいか?」 少し照れたように言うオルトに、俺は思わずきょとんとしてしまった。 「……ダメか?」 と、今度は不安そうに聞いてくるオルトに俺は驚いた。 こういう時、オルトなら勝手に着いてくると思ってた。 普段は脳筋の戦闘バカだけどたまに見せる年相応の反応で、オルトがまだ15歳の子供なんだと思い出す。 可愛いなと思って、俺は思わず笑ってしまった。 「良いですよ、一緒に行きましょうか」 そう言うと、オルトの表情がパァッと明るくなった。 「すぐ準備してくるから、ちょっと待っててくれ!」 そう言って、オルトは邸の方に一目散に走って行った。 その姿を見た俺は、また笑ってしまった。

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