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第238話 ∥
(オルトside)
落ちていくディラントを必死に引き寄せた。
ディラントを守るように内側に抱え込む。
咄嗟だったとはいえ、よく動けたと自分でも思う。
崖は思ったより高さがあって、木の枝がクッションになったとはいえ、地面に落ちた衝撃で俺は気を失ってしまった。
次に目を開けると、一番に飛び込んできたのはディラントの心配そうな顔。
しかも若干涙ぐんでる。
ディラントの名を呼ぶと、心配そうな表情が一気に安心した表情に変わる。
余程心配させてしまったらしい。
その後は、怪我は無いか、痛い所は無いかと俺の体を確認しつつ聞いてきた。
俺は体を起こしつつ『大丈夫』と答えようとすると足に痛みが走った。
それに気付いたディラントが俺の足を確認する。
ぶつぶつと何かを言ってると思ったら、今度は周りをキョロキョロとし始めた。
周りを見回していたディラントが何かを発見したように走っていった。
何をしているのかと思って見ていると、ディラントは少し長さのある太めの木の枝を持ってきた。
「足を固定しますね」
そう言ってディラントは、持ってきた木の枝を俺の足に当てて自分のタイや俺の服についていた紐を使って固定した。
「……手際が良いな」
「慣れてますから」
そう言ってディラントは少し笑った。
しばらくして、ディラントから『よしっ』と聞こえてきた。
見ると足はしっかり固定されてて、さっきまて感じていた痛みを感じない。
「すごいな」
「あくまで応急措置なので、後でちゃんと医者に診てもらってください」
そう言ってディラントは笑った。
「ところで、ディラントはどこか怪我はしてないか?」
見たところ普通に動けてるし、怪我も無さそうだけど…
「……俺は大丈夫ですよ」
「そうか、なら良かった」
そう言って、俺はホッと息を吐いた。
「……すいませんでした」
ディラントが不意に謝ってきた。
「何が?」
謝罪の意味が分からず聞き返すと、ディラントは下を向いてしまう。
「俺のせいで、こんなことになってしまって……俺がもっと注意していれば、オルトを巻き込むこともなかったのに」
そう言ってディラントは更に俯いてしまう。
「落ちた事を言ってるなら、気にする必要はない。そんな事より、瞬時にあれを避けられるのはすごいと思うぞ?」
そう言うと、ディラントがきょとんとする。
その後突然笑いだした。
何故ディラントが笑いだしたのかは分からないが、ディラントが笑顔になって良かったと思う。
やっぱりディラントは笑顔が良い。
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