243 / 247

第239話 ∥

落下に巻き込んでしまったことをオルトに謝ると、オルトは気にするなと言う。 オルトは話題を変えてさっきは凄かったと目をキラキラさせて話す。 俺に気を遣ってくれたのかと思ったけど、オルトはそういう気遣いが出来ない事を思い出して、すごいと言うオルトの言葉が本心だと分かって思わず笑ってしまった。 気を紛らわす為にオルトと他愛ない会話をする。 しばらくして、俺はチラッと空を見た。 俺たちがここに落ちてから結構時間が経ってる。 すぐに戻るつもりだったから誰にも外に行くことは伝えてないけど、リオネスたちも多分俺たちが居ないことに気付いてるはず。 俺はオルトをチラッと見た。 オルトは全身を強く打ってる。 もしかしたら後で発熱する可能性がある。 それに俺も…… 俺はそっと右手首に触れた。 ……早く助けが来てくれれば良いけど。 そう思って、俺は天を仰いだ。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ (リオネスside) 「ディラントとオルトが居ない!?」 朝、騒がしさに目を覚まし、どうしたのかと聞いてみるとディラントとオルトの姿が見当たらないとの事だった。 「今朝早くにオルトの姿を見かけたメイドが居たが、それ以降は見ていないらしい」 そうロンドが言う。 「ディラントとオルトは一緒に居るのか?」 そう聞くと、ロンドは首を降った。 「分からない。一緒に居てくれれば良いが……」 オルトとディラントが二人してこの時間まで戻って来ないってことは、二人に何かあったのか。 そう思うと急に不安に襲われる。 僕は二人を探すために外に出ようとした。 そんな僕をロンドが止めた。 「どこに行くつもりだ?」 「二人を探しに行く」 そう言うと、ロンドの表情が険しくなる。 「それは許可出来ない。今、騎士たちが二人を探してる、騎士たちが戻るまで待て」 そう言ってロンドは僕の手を離そうとしない。 それどころか、その手に力が籠る。 僕はゆっくりと息を吐いた。 「ここは王家の地だ。それに今現在、ここに居る最高権力者は私だ。二人が居なくなった責は私にある。その私に何もせず、ただ待てと言うのか?」 ロンドが正しいのは分かってる。 これは僕の我が儘だ。 「……ここで王太子の権力を使うのはズルいだろ」 ロンドがボソッと呟くと、大きくため息をつく。 その後胸にスッと手を当てた。 「王太子殿下の御心のままに」 そう言ってロンドは頭を下げた。

ともだちにシェアしよう!