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第4話
アルファは声を上げた。
オメガの中に沈み込みながら。
背中の翼を広げていた。
羽ばたかせていた。
あまりの気持ちの良さに。
オメガだった。
これこそ、オメガだった。
ベータとは比べものにならない。
アルファのためにつくられた、アルファのための器。
目一杯広げられながらも、締め付けてくる柔軟な襞につつまれ、蠢かれた。
まとわりつく、その甘さときつさ。
動かす度に、腰まで溶けるようだった。
熱い蜜。
それを味わう。
子宮口を探した。
そこに先を押し込む。
吸い突かれる。
少年は快感に声を上げ、震えた。
これこそがオメガだった。
夢中で指先がオメガの乳首を探していた。
尖ったそこを摘まんだ。
摘まんだならそれに連動して、挿れた中が複雑に蠢いた。
コリコリとした指先の感触に、何故か自分の股間が疼く。
指で味わう、その乳首の感触。
それがもっと欲しくなる。
腰が激しく、動いて中を求める。
6本も腕があるからこそ、オメガの精液をこぼし続ける、勃起した性器を手で弄らずにはいられない。
まるで自分のモノであるかのように、そこをしごいて、先端の穴まで苛めてやったなら、オメガの中に挿れている自分の性器が感じだす。
犯して貫いているのに、まるで自分がされてるよう。
うおっっ
うぐうぅ
うわぁぁぁ
吠えていたのはアルファだった。
広げきった翼を羽ばたかせる。
強い風がおきる。
腰を強くぶつける。
薄いオメガの腹に、巨大なアルファの性器がうきあがりさえするが、でも、破けたりはしない。
オメガは甘く鳴いた。
でも貪られていたのは、アルファだった。
絞りとられた。
奥で出さされた。
でも。終わらない。
中で硬度を保ったままだ、
アルファのセックスは長時間になり、オメガでなければ耐えられない。
アルファは鉤爪を床に食い込ませる。
ミシリ
床が鳴った。
ベータなら一撃で貫き殺される衝撃をオメガに送り込み愛した。
この穴が良かった。
オメガはオメガは。
アルファのためにいる。
そう確信した。
熱いその中に閉じ込められてしまいたかった。
だが。
甘い蜜ではなく、灼熱に溶けた銅の中に性器があるのかもしれないと気づく。
熱すぎる。
性器が焼かれていた。
文字通り。
中で、性器の皮膚が焼け爛れいた。
苦痛の悲鳴を上げた。
だが、止められない。
オメガの匂いが。
匂いが。
止めさせてくれないのだ。
性器の皮膚が焼けたようにただれて、肉がむきだしになっているのに、勃起も、送り出す腰もとめられない。
「もっと頂戴・・・」
甘くオメガが言う。
オメガは甘く腰を揺らした。
アルファは絶叫した。
肉が、こそぎおちて。
骨がむきだしになっていたから。
ベータの男の陰茎には骨はない。
だが、アルファには陰茎骨があるのだ。
長く性交するために。
雌を他の雄にわたさないために、長く性交する性質をアルファは化け物達から受け継いでいた。
陰茎骨はその一つだ。
その骨がむきだしになっていた。
でも。
止められなかった。
オメガの匂いに狂った。
「嫌だぁ!!」
悲鳴をあげた。
性器を生きながら焼かれている。
その苦痛と恐怖は、快感以上に脳を焼いた。
そして、死がわかった。
死がそこにいた。
自分が死を与えるのと、自分が死に近づくのは違うと知った。
「散々、オメガやベータを玩具につかっといて、自分がされたら泣くんじゃねーよ」
冷ややかな声がした。
それが自分が使ってるオメガから出た声だと、アルファはわからなかった。
オメガは言わない。
こんなこと言わない。
アルファに抱かれて、泣いても後で優しくれたらそれで終わる。
オメガはせいぜい、良いアルファを得てましな人生を送れたならそれでいい生き物なはずだ。
よいアルファを得ることだけが、オメガの幸せになる条件なのだ。
運命を受け入れて。
なのに。
こんな。
こんな。
凶暴な目をして、見上げてくる生き物なんかじゃない。
「死ねよ。殺したんだ、殺されたって仕方ないよな。お前がアルファだからオメガもベータも殺してもいいと思っているのと同じくらい、俺もオメガだからアルファを殺してもいいと思ってる。お互い様だよな」
その言葉がわかるのに、匂いが。
オメガの匂いが。
股間が焼け落ちていくのに、オメガのにおいが。
苦痛に落ちてもそれでも欲しい。
「噛んで・・・」
そう囁かれて、苦痛に呻きながら、それでも。
アルファは他のアルファの印があるそのうなじを噛まずにはいられなかった。
そして。
性器がオメガの中で焼き切れた。
ウガァぁぁぁ
ウギャアァ
痛みは凄まじく、その痛みは焼け落ちる瞬間の性器に射精させていたのだった。
オメガはその射精に身体を震わせた。
アルファはオメガから離れた。
というより、挿れたままの性器が焼け落ちたのた。
床の上をのた打ちまわる。
失った陰茎があった場所を押さえて。
翼をバタバタと羽ばたかせるため、部屋に風が吹き荒れる。
でも。
長くはくるしまなかった。
骨だけになった性器だけをまだ後ろに咥えたままのオメガが、アルファの首に向かって右手を一閃させたから。
いつのまにか握られていた鋭い刃物。
アルファは首の血管を斬ることを許した。
そして、アルファでも。
その血管を切られることは死を意味した。
溢れだす血。
噴水のように。
その血を浴びながら、オメガは、入ったままのアルファの性器、もはや骨だけになったそれで、自慰をして楽しんだ。
そして、最後にもう一度自分で達してから、血塗れで全裸のまま、部屋を出ていった。
「お前のチンポだけは悪くなかったよ」
オメガは股間から引っ張っりだした骨をアルファに投げつけながら言った。
その声はもう。
アルファには届かなかった。
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