22 / 174

第22話

 犯されている。  犯されている。  犯しているはずなのに。    うぉおお  アルファは叫んだ。  また射精しながら。  「頑張って・・・腰を振れ。足りねぇ。足りねぇんだよ!!」  オメガが要求した。  また穴が締まり、蠢く。  その複雑な動きに、簡単にアルファの性器は出したばかりなのに硬度を取り戻す。  なんて穴だ。  なんて穴だ。  こんなオメガ。  こんなオメガ。      有り得ない。  でもアルファは獣のように腰を叩きつけるしかない。  求められるまま、4本ある腕の全てを使って、オメガに奉仕するしかない。  舌や歯や唇。  全てがオメガのために存在していた。  オメガは乱れきっていた。  穴でアルファの性器をくらい尽くす。  突起やコブを味わい、その性器の大きさを喜んだ。  「お前らチンポだけは最高だよ、チンポは!!骨の入った最高のチンポ!!陰茎骨は人間にゃないからな!!」  オメガは笑っていた  ここだけは好きだと言いながら。  突く度に穴の奥から吸い付かれ、叫ぶのはアルファだ。  何もかもがおかしい。  このオメガの身体?  それともにおい?  狂ってしまう・・・。    夢中でその胸も味わう。  美味い。  こんな乳首は知らない。  この歯触り、舌触り。  噛むことも舐めることも吸うこともやめられない。  ずっと射精し続けているのはオメガも同じで、そこを弄ることも命令された。  射精して敏感になりすぎたそこを弄られながら、後ろを突かれるのをオメガは喜んだ。  「たまんねぇな・・・コイツはいい・・・もっとよこせ!!」  オメガは命令した。  命令通り、射精してしまう。    アルファは叫ぶ。  知らない快感と屈辱に。  止めることはできないのだ。  アルファだから。  アルファは快楽を止める方法を知らない。  でも、屈辱と快楽と混乱。  そして、信じられないことに恐怖を感じながら、それでもアルファは違和感を見つけていた。  オメガの首には歯形があった。  他のアルファのモノだ。    有り得ない。  他のアルファのモノになったオメガはこんな匂いはしない。  他のアルファのオメガを抱く時にはここまで狂わない。  抱いたから知ってる。  番のいるオメガを抱く時の興奮は、他のアルファのモノを奪う興奮で、他の為にあつらわれたモノを無理に使うたのしさなのだ。  こんな。  こんな。  こんな風にはならない。  でも。  こうなってる。  角度を変えて抉るように要求され、体位をかえさせられ、そうする。  まるで、女王に使える性奴隷のように。  いや、そうせずにはいられない。  気持ちが良すぎる。  アルファは。  我慢を知らないから。    我慢をしてきたことがないから。  止めることができない。  違う角度はまた違う快楽を与えてくれるから・・・。  溶ける。  溶けていく。  理性も、プライドも。  でも。  でも。  ありえない  「番持ちのオメガが・・・有り得ない・・・!!」  そう叫んでいた。  中を貪りながら。  美味い。      美味い。  止められない。  「ああ、賢いねぇ、アルファだもんね」  馬鹿にしたようにオメガが言った。  穴で締め付け、アルファを叫ばせながら。    またたっぷりと放った。  オメガの中に。  射精さえ、オメガの思いのままだった。  獣のようにアルファはさけぷ。  ああっ  いいっ   いいっ  オメガも叫んだ。  アルファは呆然としてしまう。  知らなかったことなのだ。  自分の意志でコントロールできない射精の気持ち良さなど。  余韻に震えているのはアルファもだ。  涎はたれたままだ。  「可愛いねぇ・・・でも、もうここまで」  オメガが笑った。  アルファは快感の余韻で意識が混濁していた。  その瞬間は忘我の状態だった。  だからわからなかった。  自分の性器が。  溶けているのが。  オメガの中で。  それが苦痛だと気づかなかった。  有り得ない快楽を得すぎたせいで。  でも、溶けていた。  オメガの穴から煙があがる。  中でアルファの性器が溶けているのだ。  「気持ち良かったけど。もういいや。死ねよ、お前」  オメガは真顔でそう言った。  肉がとけきる感覚にアルファは、今まで一番大きな叫び声をあげた。              

ともだちにシェアしよう!