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第28話

 「オムライスが食べたい」  急に言われる。  「卵がないよ!!」  タクは言う。  今日はネギチャーハンにするつもりだった。  ネギとショウガとニンニクとハムの。  それに冬瓜いりのスープ。    卵はない。  切らしてる。  「オムライスか食べたい!!」   少年が言い張る。  なんてわがままなんだ。  有り得ない。  食費も出してないくせに。  まあ、  札束を出されて、断ったんだけど。  そんなの受け取ったら住み着かれる、と。    断ったけど住み着かれているので、今はどうせなら貰っておけば良かったと後悔しているところだ。     おまけに  「俺といれるだけて幸せだから、金はいらないのか。なんて可愛いヤツだ」  と少年に喜ばれてしまったのだ。  なんで。  なんで。  そんなに前向きなんだ。  綺麗過ぎるオメガの考えなどタクにはわからない。  「オムライス。俺、タクのオムライスが好き」  少年が綺麗な唇を尖らせて言う。  昨夜、あの唇になにされたのかを思い出しかけて慌てて首を振る。  でも昨日は軽くで済んだ。  タクがバイトで疲れていたから。  でも、泣かされ、喘がさせられた。  気持ち良かったけど、気持ち良かったけど!!  少年なりに思いやられてはいるのはわかる。  わかるが。  勝手に住み込まれ、セックスを強要され、飯まで作らさせられて。  タクは泣きたい気分でもある。    「オムライス」  また言われた。  「コンビニで卵買ってくる」  タクはあきらめた。  少年の目が輝く。  オムライスを作って貰えるからだ。  「俺が好きなんだな、タク!!」  小躍りしながらいわれた  そういうんじゃないんだ。  とタクは思う。  諦めただけだと。  でも。  コイツ本当にオレのオムライス好きだし、喜ばれたら。  まあ、いいかな、とは思う。  いや、違う。  でていってもらわないといけないんだ。  こんなこんな、アルファ殺しのオメガなんて。  これ以上巻き込まれたら・・・。  卵を買いに行き、オムライスを作ってやる。  少年はフワフワ卵のオムライスが大好きなのだ。  「タク。美味い!!」  すごく喜ぶ。  すごく喜ぶから。  なんか。  なんか。  なんか。  いや、早く出て行ってもらわないと。  もらわないといけないんだが。  無心に食べる姿は。  可愛いとか思ってしまう。    米をほっぺたにつけたりして。  思わずとってやったりして。  タクも食べる。  なんか、色々聞いてくる少年の質問はとても子供っぽくて可愛い。  世間知らすなのだ。  テレビに映ることの多くを知らない。  でも  「今日はバイト休みなんだろ・・・」  腹を満たしたら、少年は言う。  まだ満たしたいものがあるから。  「タク・・・したい」   そう囁かれると身体がビクンと震えてしまう。   勃起していた。  情けなくて泣く。  少年はすり寄ってくる。  畳の上で、ローテーブルで二人は食事をしてたから。  「泣くなよ・・・したい」  手を掴まれて、その胸に持っていかれる。  シャツの下の素肌に。  熱い肌。  手が焼かれておかしくなる。  「嫌だ・・・」  タクは泣くが、  少年はズボンを脱いで、濡れた穴を見せつけてくる。    性器であるそこを。  濡れてて。  甘い匂いがする。  何度も舌まで挿れて味わった場所だ。      いやらしい身体。  でも、子供だった。  子供なのに。    「嫌だ」  そういうタクを許してはもらえない。    「タク・・・俺が好きだろう?」    穴にも指をあてがわれる。  熱い穴に指を潜らせられ、声をあげるのはタクのほうだ。    したくて。    嫌で。   でも、締め付けられる指に。  熱く濡れたそこに。  欲しがられて、思わず動かしてしまう。  指で味わいたくなるそこを。  「タク・・・いい、いい」  少年が喘ぎ、タクは始めてしまった自分を嫌悪する。  でも。  もう。    止められなくなってた。   締め付ける指を穴に溶かすのを楽しむ。    穴を弄りながら、も片方の手で微かな胸の隆起を楽しむ。  入れてるのは指なのに、まるで自分の性器を挿れてるみたいに気持ちいい。  胸を撫で、尖った乳首を親指でなぞるのも楽しかった。  まだ幼い少年の身体で楽しむ自分に嫌悪した。   でも。      でも。  やめられなかった。  この身体は麻薬だった。    

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