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第36話

 「いいっ、いいっ、いい!!」  花嫁は叫ぶ。  巨大なアルファの性器に貫かれて、何度もイきながら。  花嫁は自分の乳首を弄りながら腰をふって、その快楽を貪っていた。  快楽を得ることにもう、一ミリの迷いも恐怖もない。      ただ、快楽を貪るオメガがそこにいた。           「デカいのぉ、、、奥までぇ、、、くびぃ!!!」  尖った乳首を自分で摘まみあげ絶叫する。  深く突き上げられて、串刺しにされたまま、痙攣する。  自分から開けるだけ脚を開き、背中や喉をそらせて感じているその姿は壮絶なものがあった。    アルファは喜んでその開いた口の中を、長い蛇の舌で犯す。  喉の奥まで犯されて、花嫁は泣きながら喜ぶ。    アルファの首にその細い腕を巻き付かせて。  アルファはさらに深く腰を送り込む。  「ああっ・・でけぇのはいいな、もっとよこせ!!」  少年はその隣りでアルファに向かって命令していた。  少年は背後からもう片方のアルファに貫かれてていた。  奥でゆっくり楽しまれ、少年もそれを楽しんでいた。  アルファの二つの性器は二つの腰と横並びについていて、それぞれ独自に動くことが可能だった。  花嫁を突きあげ、少年の奥をじっくりと動く。  吸い付く奥は甘い蜜壺。     そこでの何度も出し入れする。    深い奥、子供を孕むための部屋を可愛がる。     唸ったのはアルファだ。   甘すぎた。  「ああ、いい」  「オレ達のオメガ達だ」  「可愛い」  「どちらもオレ達の・・・」  「あとでとりかえよう。どちらもオレ達のだ」  「ああ、一人を二人で犯すのはやはりダメだ、これならころさないですむ」  アルファは涎をたらしながら楽しんでいた。  花嫁を突き上げているアルファは花嫁の髪をつかんで、さらに乱暴に犯す。  「突いてぇ・・・しゅごい・・・おおっ、ああっ!!」  それを花嫁は喜んだ。    ウェディングドレスは完全に破かれ、地面に転がっていた。  ベールもどこかへとばされて。  もう、花嫁ではない。     ただ、犯され貪られるオメガだ。  所有されるオメガ。    オメガを味わうためなら、何でもするアルファに使われて、それでも感じているだけの。  少年は笑った。  それがおかしくて。  それが少年を犯すアルファの気に障る。    このオメガはおかしい。  オメガを何人も殺してきたからこそわかる。  その為に、とうとうセンターから希望を受け付けられなくなったが、それでもオメガを何人も抱き殺してきた。  だからわかる。  このオメガはおかしい。  何故、ただ、狂わない。  確かにどのオメガよりも貪欲に、貪られているのはわかる。  腰も、孔の締め付けも蠢きも、アルファを欲しがって味わっている。  だが。    違う。    違う。      違う。  「ああっ・・・・ああっ!!」  叫んだのはアルファだった。  少年に包まれた性器が蕩けるようだ。  まるでオメガのように泣き叫び、身悶え、射精する。  絞りとられた。  「ああ、クソアルファだが、味はいい」  腰をゆらしして、身体を震わしなから少年は喘いだ。  味わわれていた。  その孔で。  その性器を、その精液を。  赦されない。  赦されない。    また締め付け、蠢きもっとよこせと、孔が言う。  「ヒィィ」  またアルファは腰を動かし始める。  快楽と、わからない恐怖に顔をゆがめて。      このアルファはふたつの頭で感覚と思考を共有する。    「お前は何だ、何だ、なん、だ」  花嫁を貫くアルファが混乱する。  匂いが強い。   花嫁の匂いが、きえてしまうほどに。    こんなフェロモンの量はしらない。  頭がおかしくなる。  少年とつながってる孔から流れ込む快楽物質が、同じ同じ身体ゆえに、こちらのアルファにも届く。  快感が増した。    ウゴォォォオ  吠えてさらに激しく花嫁を責め立てる。  ああ、オメガが甘い。  甘い。   甘い。  甘い。  喰いたい。    アルファは花嫁の首に歯をたてようとした。  こうすれば。  こうすれば。   オメガは完全に自分のものになる。  少年の側のアルファもそうだった。  花嫁の項に歯を立てた。  骨に届く。  カチリとはまった感触が、射精以上の快楽を引き起こす。  このオメガは。  このオメガは。  オレ達のもの。  花嫁も声をあげた。  身体にスイッチが入ったのだ。  このアルファだけを求めるスイッチが。  「欲しいっ・・ああっ!!欲しい!!!」  オメガの本能のまま花嫁は叫んでいた。  だが、少年の側のアルファは困惑する。  少年の首には、もう、印があった。  他のアルファの所有の印が。  有り得ない。  有り得ない。  この匂いは番のいるオメガの匂いじゃない。  だが、これは印だ。  だが、噛んだ。  そうでないと、自分のモノにはできない。  だが、ない。  あの感覚がない。  このオメガには嵌まらない。  やはり、やはり、番がいるのか?   アルファは困惑する    だが匂いだけは濃くなる。    花嫁が、番だけに届く匂いに変わったのに。  誘うための、番のいないオメガの匂いを少年はさらに濃く撒き散らし、アルファの脳を焼く。  「・・・俺はな、番の仕組みが完全には機能しなかったんだよ」  少年は困惑するアルファにむかって笑ったのだった。  

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