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第73話
グシャァ
グシャァ
吠えているのはアルファだ。
皮膚を震わし音を立てる。
声帯をもっていないから。
背後から貫く少年の孔は。
最高だった。
ああ。
そう。
愛するオメガよりも。
脳が煮える。
皮膚から肌から、孔から。
フェロモンを吸収していた。
それが脳に最大限の快楽を与えてくる。
孔の内襞の一つ一つを明確に感じれた。
それがどんな風にまとわりついてくるのかも。
前立腺の硬さがリアルに伝わってきた。
締めてくる快感に酔いしれた。
麻薬の。
フェロモンのせいなのだとわかっていた。
脳の快感を感じる部分が覚醒されているのだと。
でも、たまらない快楽に、アルファは快感と同じ位絶望していた。
「いいバイブだぜ、お前!!」
少年がアルファをあざ笑いながら、イク。
締め付け、しぼりとられ、白面も強制的にイかされる。
ギイキキキキ
ヒギィイイイ
白面が吠える。
その軋むような声は快楽のためだけではない。
屈辱。
そして、絶望。
「だまんねぇーな、ホントお前らバイブとしては最高だわ」
少年はまた動きだす。
そうしたなら、白面も動いてしまうのだ。
欲しがり貪る獣のように。
止められなかった。
今までの好きなだけ、ベータやオメガを味わうソレではなかった。
今、自分が貪られていた。
今、支配されていた。
オメガが発する、フェロモンに。
意志が。
自分では。
どうして。
そんな。
アルファだ。
アルファなのに。
支配者なのに。
「アルファが一番、フェロモンに弱いんだよ。可哀想にな。意外とベータが一番フェロモンに耐性があるし、次第に慣れていく。アルファには無理だ、アルファはフェロモンの奴隷なんだよ」
少年は同情的に言ったが、激しく突いてくる白面のペニスを孔で絞り取り始めた。
絡まり、蠢き、舐めるように先に内側の襞が吸い付いてきた。
そんな風に中を意志で動かせることに白面は驚く。
そして、快楽に脳を焼かれる。
ウギィイイイ
ウギィイイイ
獣になって、また思考を奪われ、快感に負け、肉欲の奴隷に成り下がる。
少年の、オメガの、思うままに。
腰を振り、射精する。
少年を悦ばすためだけに。
「ああ、いい。いいバイブだ、もうちょい頑張れよ」
少年はあざ笑いながら、その感触を楽しんでいた。
アルファの口から血がふきだす。
「ああ、いつもよりフェロモン量が多いからな。ここまでフェロモンを出したことはなかったし。毒になるフェロモンじゃなくても・・・この量ならこうなるのか、ふうん」
少年は感心したように呟いた。
でも血を吐きながらも、壊れたオモチャのようにアルファは動き少年を求めつづける。
「まあ、死なないか、これでは」
少年などうでも良さそうに笑って、アルファの動きを楽しんだ。
そう。
本当にデイルドのように。
アルファを使った。
玩具として。
その屈辱に苦しみながら、でも、アルファは止められない。
目覚めた自分のオメガが、アルファが放つフェロモンに狂って、欲しがって孔をいじって泣いているのに、そちらを求めることが出来ない。
フェロモンに左右される。
フェロモンの量だけが脳を支配する。
この少年のオメガが憎くて憎くてたまらないのに、その肉体が欲しくて欲しくてたまらない。
愛しい愛しいオメガよりも。
「オ前ハ何者ダ!!!」
白面は悲鳴をあげた。
奪われる。
喰われる。
貪られる。
犯されていた。
アルファが。
オメガに。
犯されていた。
「お前達は・・・フェロモンの奴隷でしかない」
少年は舌なめずりしながら、さらにアルファを絞りとっていった。
そして。
本当に喰われた。
匂いが変わった。
痺れるような甘さから、さすような激痛に。
そして。
アルファのペニスは。
本当に、少年の中で焼け落ちたのだった。
焼かれて。
ちぎれた。
ギヒイイイイィ
アルファは絶叫した。
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