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第85話
神鳥の嘴から出る舌は太く長い。
人間のモノとは何もかもが違う。
それが、オメガの孔の中で、指とも性器とも違う動きをしてのた打つ。
孔の内部の壁面を舐めて教えられる。
そこがどんな風になっているのかと。
熱くそこを柔らかな弾力のある肉がこそげるように動く。
「ああっ・・・嫌ぁ・・・」
オメガは感じてしまう。
散々番のアルファにイカされ、身体にはまだ火照りがあるのにそんなことをされたなら。
番相手だと互いのフェロモンで、性感が高められ、それに逃げることも出来るのに、番じゃないアルファからの刺激にはクリアな脳のまま、身体に火がついてしまう。
「嫌ぁ・・・」
オメガは泣いた。
これは酷い。
また、他のアルファに抱かせるなんてひどい。
酷いことはたくさんされてきた。
でも、その後は優しくしてくれた。
少なくとも、この人だけのオメガだと思っているのに。
自分のアルファだけが入るべき場所を興味本位に、かき回される。
そこの形を確かめて、犯していた他のアルファの跡を知ろうとするような悪趣味な動き。
そんなモノに感じてしまう自分への嫌悪感。
確かめられた。
どこが一番よくこすられ、開発されているのかを。
そんなものに、でも、身体は蕩ける。
そこが弱いのだと見つけられ、擦られる。
散々だしたはずなのに、またオメガの幼い性器は勃起していた。
「いやっ・・嫌ぁ」
感じて泣いてる自分を、自分のアルファが視ている。
静かな目で。
興奮さえ見えない。
一つしかない巨大な瞳はあまりにも美しくつめたい。
そこに写る自分を見ながらオメガは達した。
他のアルファに孔の中を舐めまわされて。
しかも、舌を引き抜かれそうになり、締め付けてしまった。
抜かれるのを拒否するように。
身体は欲しがっていた。
「お前、結構マニアックなとこ好きだね。この子ちょっと違うとこでめちゃくちゃ感じる。面白い」
夫であるアルファに妻の感想を述べられる。
「そう?」
夫は笑うだけだ。
「身体はガキだか、よく開発してる。好みじゃないが悪くない。楽しめそうだ。お前のチンポの形も良くわかった。その形になってるからな。でも今度する時はオレの形になってるぜ」
神鳥が笑う。
もう、ズボンを脱ぎ捨てていた。
神鳥はズボンだけは人間のものを履いている。
首から上は鳥の形状で、肩腕背中は羽毛に覆われている。
綺麗な羽根が自慢の神鳥は上着は着ないし、翼があるので面倒なのだ。
たくましい胸や腰や太腿は人間のモノだ。
膝から下は猛禽類のそれ、だ。
股間のモノはアルファらしく凶悪だった。
夫のモノとはでも違う。
オメガは這ってにげようとした。
これは嫌。
こんなの酷すぎる。
ベンチから落ちた。
抱き上げてくれたのは夫である黄金のアルファだった。
その腕は優しかったいつものように。
真っ白な服に複雑な模様を同じく白い糸で刺繍した、美しい民族風の上着とズボン。
金色の肌と、赤い髪。
いつものように。
太古の神々のように美しい、優しい夫。
でも。
「ダメだろ逃げたら」
夫は言ったそして、オメガにキスをした。
優しい優しいキスを。
「そのままキスしててやりな」
神鳥が優しい声で言った。
「オレに犯されるのをなぐさめてやれよ」
尻をもちあげられていた。
上半身を夫である黄金に抱かれ、キスされながら、神鳥に尻をもちあげられ、犯されようとしていた。
「気持ち良くなっていいからね」
夫は優しくいって、またキスをしてくる。
そのキスに酔わされてしまうのは。
慣らされているからで。
夫とは違うものが入ってくる感触に、叫びそうになっても、夫のキスは優しくて。
「ああ、悪かない。うん、嫌いじゃない」
無遠慮に、判定され、巨大なモノが、夫にたっぷりいじめられた場所を、違う風に擦りたててくる。
声をあげたら夫に吸い上げられる。
涙がこぼれる。
これは。
これは酷すぎる。
「黄金、そろそろのけよ。ここからはオレが慰めてやるんだから」
神鳥の言葉に、夫は大人しく従った。
夫にしがみついていた指も離された。
何もつかむものがない土の上で、神鳥に背後から突き上げられていく。
それは。
気持ちよかった。
違うから。
それは響いた。
違うから。
突き上げるリズムも、場所も違って、違うのに、気持ち良くて。
オメガは泣いた。
オメガの身体はあまりにも哀れだった。
「可哀想にね、可哀想だね、だから、お前は違うんだ」
夫は優しい目で言った。
「いやぁ」
そんな風に云わないで。
オメガは泣く。
「気持ちいいだろ?」
神鳥が腰をゆっくりまわしてきた。
それに痙攣する。
気持ち良かった。
良かった。
夫じゃなくても良かった。
「感じて気持ち良くなりなさい」
夫は優しく言って髪を撫でた。
「そういうのじゃないんだけど、オレが欲しいリアクション」
神鳥が白けたような声を出す。
でもしつこく責められる。
いつもされない場所を。
それに感じた。
違う形、違う角度、違う動き。
なのに良かった。
それが良かった。
顔をくしゃくしゃにしてオメガは泣いた。
土の上で身体をよじらせながら。
「ああ、いい。やっぱりいいな、人のモン」
神鳥は喜んでいた。
一番奥でだすつもりだ。
何回も何回も。
人のオメガを犯すのは最高だった。
きっと。
白面のオメガとするのも。
楽しめそうだ。
黄金のアルファは楽しげに自分のオメガを犯す神鳥のアルファと、泣きながらそれでも感じて乱れるオメガを静かに微笑みながら見ていた。
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