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第86話

 「さて、どうするか」  少年は考え込む。  【神鳥のアルファ】からの肉体での戦いが申し込まれていた。  断ることは出来ない。  それがアルファのルールだ。  「お前のオメガを犯したい」  そうメッセージまでそえてあった。  これに乗らないのは白面らしく無さ過ぎる。  いくらオメガが一人てアルファを殺しても、アルファは気にしない。  殺されるアルファが悪いからだ。    オメガなんかに。  ただ、オメガがアルファのふりをして、ゲームに参加していたとなると、それは別の種類の侮辱、と彼らはとるだろう。  珍しくアルファが結託してこっちを襲ってくる可能性はある。  まあ、こうなることは考えてなかったわけてはない。   いくら白面の強さが有名でも、そろそろ、白面も挑まれる頃だ。  人間よりはるかにアルファは勇敢で、挑戦を愛するのた。  無謀なことはしないだけで。  それなりに、勝機があるのだろう。  白面の強さを知った上で。   【神鳥】はゲームよりも実戦を好む。  もちろん格下相手に肉弾戦を仕掛けるような卑怯者はアルファにはいないわけで。  互角に戦うことを愛していた。  その命を賭けた遊びの相手に選ばれたのだろう。  受けるしかない。  もちろん、本物の肉弾戦など無理だ。  少年の肉体ではアルファ相手に勝てるとは思えないからだ。  フェロモン放って、セックスにもちこみ、そこで殺すしかない。    「チャンスと言えば・・・チャンスなんだよな」  少年は考えこむ。  向こうから殺されに来てくれるなら有り難いし、この方法で殺していくことも考えていた。  アルファはオメガのフェロモンに抵抗できないのだから。    だが、何がひっかかる。  神鳥が反応してくるなら、もう少し後だと思っていた。  神鳥については知っている。  そのチンポから知っている。  あそこにいた時犯された。  笑ってた声も忘れてない。  【黄金】と共に絶対に殺さないといけないアルファだ。    あそこで犯され殺され、少年は生まれ変わったのだ。  アルファを殲滅する存在に。  気になる。  気になる、が。  どのみち、これは受けなければならない勝負だ。  少年は白面として勝負を受けた。  メッセージを送る。  「お前のオメガも連れて来い」   これは、負けたらお前のオメガを犯すということだ。  神鳥は自分のオメガを犯されるのは嫌がる。  他人のオメガを奪って番にしたくせに。  他人のオメガが好物のくせに。  ならば。  差し出してもらおう。    断らない。  何故なら、それかアルファという生き物た。  自分が負けるつもりなど、さらさらないからだ。  「教えてやるよ」  踏みにじられる惨めさを。  少年は笑った。      

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