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第99話
「ガキの身体だが、良く感じるじゃねーか」
神鳥は掠れる声で言う。
ゆっくり揺するのは、少年に思い知らせるためだ。
そして、その中をたっぷり味わうためだ。
神鳥は楽しんでいた。
これまで神鳥がフェロモンに融けきったオメガを抱くことはなかった。
神鳥は他人のオメガが大好きだからだ。
番のオメガと互いに我をわすれてセックスしたいとは思わなかった。
だって、嫌がるオメガを感じさせて、鳴かせて、楽しむのが一番好きだからだ。
我を忘れたくなかった。
我を忘れてしまったなら、泣いて苦しんで、それでも感じるオメガを楽しめない。
オメガは正気な頭でたのしみたい。
だから、フェロモンをだす番のいないオメガを抱いたことはなかった。
でも。
【黄金のアルファ】のフェロモンに反応している少年を抱くのは。
楽しかった。
フェロモンに逆らえず、感じてしまってるだらしない身体も悪くなかった。
だって、それをこのオメガは辛いと思っているから。
それがいい。
ただ喜んで抱かれるオメガでは。
神鳥は勃起しないのだ。
まあ、神鳥がオメガのフェロモンに影響されたなら、別かもしれないか。
嫌がるのが。
いいのだ。
それでも感じるのがいいのだ。
「ほら、ここが好きなんだろ?アイツはマニアックだからな」
神鳥は膝の上に少年を乗せて、貫きながらゆっくりそこで回した。
黄金がどういう風にオメガを抱いてるのかは良く知っている。
黄金が好きそうな孔の中の場所を責め立てた。
この少年も含めて、黄金のオメガを抱いてきたから黄金がどうオメガを抱いてるのか知っている。
「くうっ・・・くそっ・・・死ねぇ」
少年の唇から漏れるのは悪態なのに、腰がたまらなそうに揺れるのがたまらない。
泣かないで意地を張ってるのもいい。
自分から快楽を貪るのと、快楽に従わさせられるのは全く違う。
これは、少年が望まない快楽だ。
唇を噛み締めて耐えている。
だからこそ、神鳥にはたまらない。
「これが好きなくせに・・・オメガはな、アルファのためのモノなんだよ。フェロモンで蕩けきってるくせに」
しつこく、黄金が好むポイントだけを突いたなら、黄金に仕込まれた少年の身体はわかりやすい位に反応する。
少年の擬似性器は精液を吹き出し、神鳥の性器を包む孔は欲しがるように絞りとりにくる。
神鳥は逆らわず、射精した。
その射精される感覚にさえ、ガクガクと身体をふるわせて感じるくせに、少年が唇を噛み締め、その唇から血を流す姿にこそ興奮する
「オレを犯すんじゃなかったのかよ。なあ。可哀想にな。フェロモンでヤられるがままじゃねぇか」
またゆっくり責めていく。
抜く間もない。
楽しくてたまらない。
感じる度に、少年が苦しむのが良かった。
感じたくない快楽。
否定したい快楽。
逃げるようにのばされる腕。
でも淫らに揺れる腰。
拒絶しても拒絶してもある、快楽。
それこそが・・・。
オメガを苦しめる。
殴り蹴るより深く、オメガに傷を負わせる。
傷を与えたい。
深く傷つけたい。
それこそが支配。
神鳥は愛しいオメガさえ傷つけたかった。
傷ついてでも感じられるモノこそが、本当の快楽だと神鳥は信じていた。
死んだアルファを愛するオメガは、死という痛みを超えて、それでも愛があるから愛なのだ。
神鳥は疑わない。
痛みや苦しみの向こうにしか、本当のモノはないのだと。
神鳥は深く傷つけていたいのだ。
オメガを。
傷つけることこそが所有だった。
傷つけることこそが、快楽だった。
感じたくないのに、感じて苦しむ姿が大好きだった。
少年が好きではない、でも感じる場所を嬲った。
黄金がしたように。
絶対に感じる場所じゃないところを、感じるようにさせるのが黄金の好みなのをもう知っていた。
少年はそこをしっかり開発されていた。
ああっ
くそっ
死ねぇ!!
少年は怒鳴りながら、背中をそらし、身体を痙攣させる。
この感じる場所は支配の印だ。
感じて抱かれて、子供を生ませる道具だった印だ。
孔のそこを責めながら、背中にある肩甲骨の窪みを舐めた。
執拗に。
ここも、黄金が責めるマニアックな場所だ。
少年が、たちまち前から迸らせた。
ここが、奥の場所や前立腺のある場所みたいに感じる場所に変えられている証拠だ。
ずっとずっと、黄金に抱かれ、黄金の玩具にされていた証拠だ。
クソが!!
死ね!!
殺してやる!!
それでも少年が罵る姿がたまらなかった。
だって、尻だけはカクンカクンと欲しがるように動いているから。
「たまんねーわ、ああいいわ・・・」
神鳥は少年の姿を楽しんだ。
これ。
これがいい。
嫌がり苦しみ、感じるオメガ。
たまらなかった。
こうでないと。
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