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第100話
「可愛い可愛いオレのオメガが腹に穴を開けて待ってるからな、早めにすましてやるよ。そして、手足を千切って殺してやる」
神鳥はむしろ優しく言った。
神鳥は地面の上で少年の尻を持ち上げ、深く深く貫いた。
少年の薄い腹が神鳥の性器の形に膨れる。
あまりにも、アルファの性器が巨大すぎるのだ。
人間なら死ぬ腹を突き破るそれを、少年は喉を垂直に立てて叫びなから受け入れていた。
クソが!!
殺す・・・!!
殺すぅ!!
この叫びを可愛いものとしか神鳥は思わない。
こうでないと。
これが他人のオメガを犯す醍醐味だ。
嫌がられないと。
こうじゃないと。
フェロモンに支配された少年の身体はアルファに何をされても気持ちがいい。
心なんか身体は簡単に裏切っていく。
それに逆らってくれないと。
面白くない。
少年が嫌がるのは神鳥にもわかる。
セックスってのは快楽を探すための旅だ。
一方的に押し付けられる快楽など、ただ麻薬に溺れるのと同じでしかない。
麻薬に自分を支配させているだけだ。
そんなの、つまらない。
セックスは支配だ。
相手から奪い取ることだ。
少年がこの快楽を憎んでいるからこそ楽しめるけれど、そうでないなら興ざめになるところだ。
その気のないオメガを感じさせて、鳴かせて、支配することこそがセックスの醍醐味だった。
傷つけて苦しめて、その心に消えない痕を残すことこそが快楽だった。
毎晩可愛いオメガに、前のアルファを思い出させて抱くのもそのためだ。
前のアルファよりいい、と泣きながら言わせるのはとても楽しい。
前のアルファを裏切らせるのがたまらない。
何でも言わせる。
前のアルファより大きい、すごい、気持ちいい。
そして、愛してる、と。
それに満足する。
いつかはこの言葉は本当になるのだし。
この少年の場合、フェロモンのせいで何をしても感じてしまうのは、正直つまらない。
だから、あえて、黄金の抱き方をして楽しんでいる。
この少年は。
黄金を嫌って逃げ出したのだ。
アルファを嫌って逃げるオメガ。
そんなオメガ。
他にはいない。
そこは面白かった。
「嫌いなアルファのフェロモンに欲情して、嫌いなアルファの抱き方で感じさせられて、でもオメガってのは何でこんなに可哀想でいやらしいんだろうな」
首筋にある、番の印の噛み痕をなめてんやったなら、少年はまた痙攣した。
死ね!!
殺す!!
テメエのチンポ焼ききってやる!!
少年の叫びはむしろもう、哀れで。
それが良かった。
子供を成せないと知っていて、それでも、一番奥で放った。
少年の身体はそれを喜んだ。
少年は望んでないが、黄金のフェロモン由来の薬を飲んだ神鳥の身体を、少年の身体は番の身体と認識して、射精されることに最大の快楽を与える。
あふぅ
ふぅっ
ひいっ
引きつるような声で少年が背中を反らして身体を硬直させる。
涎をたらしながら。
締め付けてくる孔を神鳥は楽しんだ。
でも。
もういい。
そろそろ薬が切れて、少年の身体が神鳥の性器を焼き切ることになりかねないし、可哀想な自分のオメガを医者に連れて行ってやらなければならない。
振り返った。
可愛いオメガは神鳥が置いた木の陰で、絶望したようにうずくまって泣いていた。
腹から血を流しながら。
腹に穴を開けてまで、神鳥を殺そうとした、可愛いオメガ。
今だけだ。
いつかはきっと。
神鳥を愛する。
誰よりも。
死や時間を超えてまで、愛してくれる。
神鳥は満足していた。
真にアルファを愛することができるオメガを得れたことに。
ゆっくりと少年の孔から引き抜いた。
十分だった。
白面との戦いが出来なかったのは残念だった。
だが、自分のオメガが本当にアルファを愛することの出来るオメガだと証明されたことに感動した。
それに。
少年を犯すのは楽しかった。
絶対に折れないオメガを犯すのは最高だ。
途中で自分から死んだりもしないし。
神鳥は少年の小さな頭を片手でつかんだ。
さっさと首を引きちぎって終わりにする。
身体は黄金に持っていってやればいい。
殺すな、など、言われてないのだ。
「オメガにしてはお前、面白かったぜ」
神鳥は少年に向かってそう言ったのだった。
それは本音だった。
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