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第108話

世界を移動してきた。 世界とは? 番が必要だ。 番が? 番とは? 何故おまえ達はそんなにしてまで、存在し続けたい? その奇怪な姿は、おまえ達がいろんな種族を乗り継いだ証拠なんじゃないか? 少年はアルファ達に言う。 鳥のような種族 蟲のような種族 多眼の種族 蛇のような種族 それらを寄生しつくした果てがおまえ達の姿じゃないか。 これは夢だとわかっている。 分かっているからこそ、少年はアルファ達の前に平然と姿を現し、弾劾する。 何が高貴だ。 種族を喰らい尽くす寄生生物が。 おまえらが人類に寄生していることはもうわかっているいる。 おまえらはウイルスみたいなものだ。 人間の存在を書き換えて存在している。 ウイルスが感染した細胞、それがお前らだ!! この世界にワクチンを打ってやる。 おまえらを消し去ってやる。 おまえ達はどうせ、この世界を捨てる。 新しい世界と新しい番を探しに行く。 その前にお前達をほろぼしてやる!! 少年はアルファ達に叫んだ。 「すればいい」 【神鳥】のアルファが笑った。 鳥の顔をしたアルファが。 気が付けば少年は神鳥に組み敷かれ、後ろの穴を穿たれていた。 アルファでしか届かない、アルファでしか犯せないやり方で犯され、少年のオメガの身体は悦んだ。 腹から性器が浮び上がるまで突き上げられ、涎を垂らす。 夢だと分かってしまっているから、この快楽を拒否できない。 「オレの陰茎(ちんぽ)は大好きなんだろ?」 神鳥が煽ってくるが、ホンモノは殺したから気にならない。 少年はその性器を楽しんだ。 ああ、ディルドにするならアルファがいい。 若く残酷なアルファの突き上げに少年の身体は悦んだ。 少年の孔はそのアルファだけにある骨のある陰茎を搾り、うごめき、精液をほしがる。 子宮への道を拓かれ、注ぎ込まれて少年は快楽に絶叫する。 夢だからいい。 夢だから。 どうせコイツらディルドだ。 それにコイツは殺したし。 「何故、オメガは別だと思ってる?」 だしながらゆっくり動き出しながら神鳥があざやかな嘴でささやいた。 何を言っている? 神鳥の姿は【双頭のアルファ】に変わる。 腰から下で繋がった蛇の下半身を持つ双子のアルファは2人がかりで、少年を責め始める。 巨大過ぎる陰茎は先を咥えるだけで精一杯だった。 でも、胸をたっぷり指で弄られて、それがたまらなく良かった。 もう1人には孔を貫かれている。 少年の擬似性器も丹念にこすられながら。 2人がかりでされるのは良かった。 気持ち良いところを全部さわられて、喉でも孔でも、精液を充たされて。 「サービスがいいじゃねーか!!」 少年は淫らにわらってみせた。 こいつらは死人だ。 オマケに夢だ。 気持良かったから構わなかった。 「アルファとオメガは。きりはなすことができない」 「アルファとオメガは。おなじものだ」 双子は少年に囁いた。 2人の巨大な陰茎を1つの孔に受け入れて、痙攣している少年に。 夢でなかったなら、さすがに少年は絶命していたかもしれない。 だが夢だからこそ、腹を巨大な2つの性器のかたちにを浮かびあからせ膨らまし、 それが擦れ会うのを感じて、少年は叫びながら射精していた。 「蟲」のアルファが少年に抱きついていた。 無数の脚が生えた下半身がつづいている。 性器は初めにある脚の真中にある。 赤い複眼の巨大な眼が顔中にあり、相変わらずみにくい。 番のオメガ以外はこの外見を受けいれられないだろう。 アルファ目線から見ても、このアルファは醜い。 だか、番のオメガはだけは別だ。 フェロモンから篭絡されるのだ。 どんなに醜いアルファでも、番のいないオメガなら反応する。 フェロモンで目の前のアルファを欲しがってしまう。 身体から落とされる。 醜い。 嫌悪しながら、少年はそれでも自分が殺したアルファが、孔を犯してくるのを楽しんだ。 どうせ、夢だし。 それにコイツは。 みにくいが、喰ったアルファの中では(フェロモンを使われた神鳥は別)1番美味かったのだ。 美味いもんは、見た目じゃねえな、と少年は殺したアルファの上で腰を振る。 腹の奥でのたうつようにうごくのは、このアルファの陰茎の形状が他のアルファとは違うからだ。 特定の番を得るというシステムがなかった頃の名残か、それとも、乗り潰した種族の形質なのか。 子宮へ精液を送りこむために、その陰茎は中でさらに延び、子宮の中まで入りこむのだ。 そのうごめきに少年は背中を反らしてかんじる。 長いざらりとした舌に乳首を舐められるのもいい。 ザラザラした繊毛が乳首を濡らしてこすりあげる。 まとわりつき、押しつぶされて。 孔の奥にその快感が集まる。 孔を直接擦るうごめく陰茎とは別に。 いいっ 少年は叫んだ 蟲は醜い。 だが。 いい玩具だ。 もう死んでるし。 少年は楽しんでいた。 中でぐねるように動く陰茎は他のアルファにはないギミックだ。 中で何度も出されるのを楽しんだ。 「オメガは何だ?オメガは本当にアルファが作ったモノなのか?」 醜いカマキリのようなアゴを開けて、蟲のアルファが聞いてくる。 そうに決まってるだろ。 そうでなきゃ。 バカなことを聞く。 夢にしてもバカバカしい、 少年はそうおもった。 「本当に?」 蟲が聞く。 「本当に?」 神鳥が聞く。 頭だけが神鳥になって。 「本当に?」 千里眼のアルファのアタマが神鳥の後頭部から生えてきて言った。 「本当に?」 「本当に? 双頭の双子がゴボリとさらに千里眼の頭部から生えてきて、少年に尋ねる。 殺されたアルファ達は、怨みなどみせない。 生真面目に聞いてくるだけだ。 「オメガは本当にアルファのためにつくられた存在なのか」と。 散々オメガをモノとして扱った連中が。 ふざけるな、何を言ってる、とおもう。 だが繰り返される。 「本当に?」「本当に?」「本当に?」 煩い。 消えろ。 てめぇらディルドにもならねぇな!! 少年は怒鳴る。 彼らは消えない。 ぐちゃぐちゃに混ざり合い、少年が1番嫌いな奴の姿になる。 黄金の肌。 宝石のような単眼。 燃えるような髪。 夢の中でも身体は悦び、心は憎しみに燃える。 「本当に?・・・オメガはアルファのためだけにつくられたモノ?」 優しい声。 深い低音。 聴くだけで身体がおかしくなり身体の芯からの欲望に穴から愛液が滴り、心に怒りが満ちる。 差し出された指を噛みちぎる。 夢じゃなければいいのに。 その肉を噛み締めてから吐き出した。 黄金のアルファは笑っただけだった。 余裕の。 余裕の笑顔。 コイツは現実で指を噛みちぎられてもこうやってわらうだろう。 殺してやる。 そう思うのに、身体は欲しがる。 このアルファに貫かれ、中を精液で満たされることを。 夢でもごめんだ、てめぇだけは!! 少年は叫ぶのに、忘れられないあの巨大な陰茎が、入ってくるのを腰を揺らして悦んだ。 嫌だ 嫌だ そうさけんでいるのに、軽く動かれただけで、擬似性器から白濁をほとばしらせ達してしまう。 死ね 殺す わめく少年を宥めるかのように身体を撫でながら、ゆっくりゆっくりうごかれて。 その度に。 それだけでイク。 番が与える快楽は。 他のどんなセックスとも比べようがない。 どんなアルファともセックスを楽しむ少年が、這って逃げようとする だが腰を掴まれて、強く送り込まれたなら、身体を痙攣させて、白目を剥いて悲鳴のように叫んでしまう。 止めて、ゆるして、と 哀願してしまいそうな唇を噛み締めて耐えてる。 そうしたことがあるからこそ。 「可愛いな、お前だけだよ、私には」 ぬけぬけと黄金が言うのを、唇を噛み締める痛みで耐える。 夢でもゆるせないコイツだけは。 コイツは遊びに来た神鳥に少年を抱かせたりもしたのだ。 あの屈辱を少年は忘れていない。 それでも。 そんな黄金の夢を見てるというのに。 「オメガはアルファのためだけに作られたものか?」 黄金が自分をイかせながら囁いてくる 憎しみと殺意に満ちながら、また少年は連続してイク。 だが、同時に思う。 この夢は何を意味している? オメガはアルファのためだけに作られたものなのか? その意味は?

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