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第109話
少年を抱きしめたのはタクだった。
「うなされていた・・・」
タクは強く抱き締めてくれる。
やさしく髪を撫でる指に心配してくれていたのがわかり、それに少年は喜んでしまう
夢の中で、黄金に犯されていたことをタクに身体を擦り付けることで逃げようとする。
何時もなら抵抗するタクが抱き締めてくれた。
それが嬉しくて、タクの身体に身体を擦り付け、タクの身体を感じて安心する。
黄金の。
黄金の身体とはちがう。
思い出しただけで、身体が勝手に濡れていた。
タクの性器を手探りで掴めば、もう硬くなり掛けていて、安心した。
昨夜散々したけど、欲しい。
タクじゃないとダメだ。
いつもなら、泣いて拒否するタクが嫌がらない。
泣きながらかわいく感じるのに、今は食い入るように少年を見てくる。
耐えられなくて、声をあげて感じまくっているのは同じなのに。
タクからキスしてきた。
声を零し、身体を震わせながら。
「タク・・・タク・・・」
少年は叫ぶ。
タクは何故だかわかってくれている。
黄金のアルファの感触をこの身体から拭いさりたい少年の気持を。
だから今は身を任せてくれている。
この身体にこびりついた黄金の感覚。
タクとする時はああはならない。
黄金とする時程は狂えない。
でも、少年かしたいのはタクなのだ。
タクの指が少年の髪をなでてくれる。
だから。
少年はタクにまたがり、タクのもう育った屹立を飲み込む。
孔はタクを欲しがった。
だってこれはタクだ。
腰を揺らした。
脈打つタクが中にいて。
甘く濡れた孔がタクにむしゃぶりつく。
揺らして自ら貫く。
いや、タクを貪る。
欲しくてたまらないから。
タクは。
少年を見てる。
声をあげて耐えながら。
優しくしてあげたくて、緩やかにうごいてるけど、欲しがる中が赦してやれない。
ああっ
くうっ
タクが鳴く。
かわいくてたまらない。
快感を凌駕するほどの愛しさに包まれる。
タクだけ。
快楽じゃなくて、繋がっていたいからするのはタクだけ。
少年はタクの瞳を見つめながら、タクを愛した。
タクの陰茎をしめつけ、絞り、擦り立てた。
イかないように根元をおさえつけながら。
「好き・・・好き」
声はちゃんとタクに届く。
「お前酷い、・・・酷いよ、いつも好き勝手にしやがって・・・」
タクは愚痴った。
だけど、感じて声をあけながら少年の腕を掴む。
縋りつくように。
「好きだよ・・・」
仕方なさそうに。
でもだからこそ本当だと分かる言葉がタクの唇からもれたから。
タクに優しくしたいのに出来なかった。
激しく動いて、タクを絶叫させ、出すことを赦しても、止めてやらなかった。
「タク・・・タク・・・」
その名前を叫びながら。
そして。
その間にも少年の頭脳は動いていた。
夢は。
少年の無意識からのメッセージだ。
集めた知識や情報から、無意識がみつけたものを夢の形で送ってきたのだ。
アルファ。
そして、オメガ。
この関係性こそが、アルファを駆逐するためのヒントなのだ。
考えろ。
オメガは本当にアルファのためだけのモノなのか。
考えろ。
アルファの呪縛を断ち切って。
タクといるために。
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