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第121話
「来週から学校に行くんだ」
オメガはキラキラした目でタクに言った。
聞かされてなければ顔にだしてしまったかもしれない。
オメガが学校だと?、と。
少年が入手した情報は正確だった。
というより、その学校の理事長は白面である少年なのだから当然か。
「ボクね、身体が弱くて、学校に行ったことなかったの」
オメガは会ったばかりのタクに早口で話すほど浮かれている。
お茶はもうすぐ終わるが、目的は達した。
オメガと接触することがタクの目的だったからだ。
この屋敷の従業員の子供として、タクはオメガを扱い、他の仲間達もそれに疑問に思わなかった。
こんな、下手したら小学生みたいな子供がオメガなのだとベータはなかなか思いつかない。
一般人のベータのイメージするオメガとは、タキの母親のような大人で綺麗で、妖しい、エロいイメージなのだ。
大体、ベータがオメガを見る機会などほとんどないのだ。
アルファがオメガを連れていても、オメガの顔や姿を他人には見せないようにしているアルファがほとんどだ。
だが。
幼く見えても、このオメガはもう発情期を迎えていて、巨大なアルファの陰茎をその孔に毎日受け入れているのは。
事実だ。
タクは無邪気なオメガの様子に思わず微笑んでしまう。
学校がたのしみでたまらない、普通の子供のようだから。
「そう、友だちできるといいな」
タクはおもわずポンポンとオメガの頭を叩いてしまった。
あまりにも、オメガが少年に似ていて。
そして、少年なら絶対にみせないような笑顔をしてみせたから。
普通の子供にするみたいに。
もっと幼い頃の少年のように思えたのだ。
だが、有り得ないとも思っていた。
あの少年はこの年頃にはもう性格がねじ曲がっていたはずだ。
いや、生まれた時からあの正確はねじ曲がってるに違いない、とタクは確信していた。
あれだけの性格の悪さは生まれった才能もないと無力だ。
オメガはタクに頭をたたかれて、驚いたように目を見張り、またえへへと笑った。
構ってもらえて嬉しいのだ。
子供だった。
子供。
タクの胸は傷んだ。
タク達はお茶の礼を言う。
屋敷の従業員達はオメガがいることに驚いたが、すぐに素知らぬふりをした。
オメガだとタク達に教える方が面倒になるからだろう。
正しい判断だ。
タク達が門を出るまで、オメガはタクの後ろをついてきた。
素直で可愛くて、顔は似てるのに全然違った。
性格の悪さの欠けらもなかった。
本来オメガはこんな感じなのだろう。
門から去っていくタクに見えなくなるまでオメガは手をふっていて、タクは切なくなった。
あの子も飼われているのだ。
アルファの性的愛玩品。
タクは。
少年のためだけでなく、やり遂げようと思った。
確かに、オメガかもしれない。
でも、あの子は。
子供だ。
でもタクは知らなかった。
タク達が去った後、オメガは食堂で列を成した従業員たちに犯されていた。
お優しい黄金様は、屋敷の従業員達にもおこぼれを下さるのだ。
男も。
女も。
オメガを犯すのに夢中になっていた。
順番が待ちきれず、孔の代わりに口をつかったり、その綺麗なからだを舐めまわしたり。
オメガはアルファの言いつけだから耐える。
感じて、喘いで、イキながら。
子供じゃなかった。
淫らそのものの身体だった。
幼さではないいやらしさに充ちた、大人のオメガがそこにいた。
その幼くみえる擬似性器さえ、子供のものではない、いやらしさを醸し出していた。
子供なのにいやらしいのではない、子供のモノではないいやらしさだった。
でも、オメガは、喉を塞がれていない時には、呟いた。
「学校で・・・友達ができるといいな・・・」
ベータたちにおわることなく犯されながら、オメガは初めて通う学校を夢みていた。
やはり、優しい番なのだ、と自分に言い聞かせながら。
オメガを学校に行かせてくれるアルファなど、あの人しかいない。
それは確かに、本当だった。
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