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第125話

車は門の中へ消えていく。 だからタキは待った。 車はすぐに出てきた。 だから、花はまだ屋敷の中にいるのだとわかった。 でも、出ていく車の方をバイクで追いかけた。 尾行に気付かれないように。 コンビニの前で車は止まり、運転手は(タキの知らない人間だった)何かを買いに店に入る。 タキはその隙を見逃さなかった。 トランクをすばやく開けた。 もちろん、非合法なやり方で。 一般人は手に入れてはいけない道具で、カギを解除する。 花がおしえてくれたことの1つだ。 トランクに潜り込んだ。 そして、また待った。 車は動き出しだし、どこかへ行く。 何度も止まり、でもタキは息をころして実をひそめていた。 長い時間そうしていた。 待った。 タキがトランクを出たのはまた車があの屋敷に戻ってからだった。 耳を澄まし、振動を感じ、運転手の動向をさぐる。 運転手は運転席から動かない。 花が戻ってくるまでここにいるつもりだろう。 タキはゆっくりとトランクを開けた。 やはりそこは地下にある駐車場だった。 アルファ専用のものとわかる巨大な自動車があったから、ここが予想通りアルファの屋敷だとわかった。 タキはトランクから抜け出した。 そして、運転手に気付かれぬように車から離れる。 アルファの屋敷は。 入ってしまえばセキュリティーが甘いのをタキは知ってる アルファそのものが究極のセキュリティーだからだ。 化け物がセキュリティーを必要とするわけがない。 タキは息を殺して歩く。 普通だったなら、それでも気配に気付かれただろう。 アルファの感覚はオメガほどではなくても、ベータとは較べものにならないほど鋭い。 だが、タキは気付かれないと確信していた。 人気がない。 そして、オメガ用の車もなかった。 人払い。 カメラさえ切ってるだろう。 証拠を残さないために。 アルファの屋敷にオメガがおとずれる。 そして、番を外に出している。 その意味はわかった。 わかってた。 ああっ いいっ、いい!! ぐびぃっ 悲鳴のような声が聞こえた。 でも悲鳴じゃない。 でも甘さなどない。 それが何なのかタキはもうわかっていた。 その部屋の前に行かなくても。 ドアを閉めもしてなかった 巨大なアルファ用の寝台の上で、花がアルファに犯されていた。 牛の頭と、人間の身体を持つアルファだった。 ただ、腕は6本あった。 純白の肌が汗にぬれていた。 花の小さな尻は有り得ないほどでかいアルファの陰茎に貫かれていた。 ふぎぃ ひぃ 動物のような声がした。 花の声だと。 思いたくはなかった。 花は涎を垂らし、背後から貫かれ痙攣していた。 花の白い身体はアルファの太い4つの腕で固定され、せなかから激しく突かれていた。 深く突かれる度に、腹にアルファの巨大な陰茎が浮かびあがるのだ。 ベータなら、腹を突き破られ死ぬ責めだ。 くひぃ うひぃ 獣のように叫ながら花はだらりとたれたままの疑似性器からは白濁を滴らせていた。 細かく震えながら。 イっているのだ。 タキにだってそれはわかる。

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