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第132話
「沢山イかせてもらえたかい?」
優しく番が顔を撫でてくれる。
優しいからうれしい。
オメガは微笑んだ。
他のアルファとするのはやはり怖い。
良くても怖い。
ベータとするのはなんとも思わないけど、セックスしたら逆に仲良くなれないと知ったから、今はしたくない。
すすり泣いてすがりつく。
優しくしてもらえるから、それでもいつでも耐えた。
我慢した。
本当は嫌だ。
「お前は本当にいい子だね」
本当に欲しいものを挿れてもらえた。
番の陰茎。
嬉しくて自分から動く。
これ。
この大きさ、このカタチ、この熱さ。
「好き、スキ、愛してる」
必死でココロをコトバにする。
「可愛いねぇ」
番が笑ったから幸せになった。
時に酷くはされるけど、優しくしてくれる時は本当に優しい。
身体の中を甘いシロップで満たすみたいに愛してくれる。
優しい、でも、深い律動が送り込まれて、直ぐに何も考えられなくなる。
でももとめる。
優しくして。
愛して。
だって番だもの。
取り替えようもない番だもの。
愛してる。
大好き。
「好きぃ、奥もクボグボされるの好きぃ、ちょうだいちょうだい、ちんぽ好きぃ」
オメガは、淫らな言葉を喚き散らす。
他のアルファやベータに教えこまれたことだ。
淫らな腰ふりも、自分から乳首を摘んで見せつけるようにいじるのも。
でも、番は笑った。
教えられ、淫らになる度に番はわらってくれるから、だからいい。
「可愛いねぇ・・・・ホント、代わりにはならない」
番がまたその言葉を言う。
その意味がわからない。
番は前の番を失ったのだという。
自分は3人目だ。
よくあることだ。
アルファよりオメガは死にやすい。
前のオメガの変わりにならない?
当然だ。
違うんだから。
どういうつもりで言っているのかオメガは聞く気にもなかった。
だって、愛してるし、愛されている。
それで良かった。
良かった。
良かったんだ。
「代わりにはならないけどね・・・可愛いよ。私にもオメガは必要だしね」
優しく言われて、熱く中に出されてオメガは叫んだ。
もう、身体の中は熱いシロップでいっぱいで、何もかもが溶けてしまっていた。
やはり、番とするセックスは、全く違った。
愛してるし愛されてるから。
オメガは無邪気にそうおもっていた。
黄金の巨大な身体にしがみついた。
「さてさて、あの子は何を考えているのかな?」
あやすようにオメガを抱きしめながら。黄金は呟いた。
オメガの明るい茶色の髪も、金色の瞳もあの子に似ていた。
でも、似ても似つかない。
でも、違うからこそ思い出させてくれるというものだ。
甘えるように擦り寄ってきていたオメガを乱暴に今度はひっくり返し、その孔の中にまた突き立てた。
沢山のアルファやベータの精液を注がれている、それだけはあの子とこの孔は同じだ。
それだけで楽しくなる。
「もう・・・もうダメ・・・」
オメガが泣く。
酷く白牛のアルファにさいなまれ、さっき黄金に溶かされて、流石のオメガでも体力は限界だった。
「もう1回だけ、ね?」
優しく言われたら拒まない。
拒めるはずもない。
オメガはなきじゃくながら、また言うなりになり、鳴き始める。
あの子のことを考えて使った。
嫌がって、感じてるくせに泣き叫び、どんな甘い言葉も振り払った可愛いあの子。
まったくもって、だれの思い通りにもならない子。
拒絶してるくせに、甘く締め付けるあの孔を、思ってオメガを使った。
その激しさにオメガはとうとう気絶したけれど、気にしなかった。
ゆっくり孔の中に射精しながら考える。
白牛に知ってることを吐かせて、提案した。
アルファは誰の命令も受けない、だから提案というカタチの命令だ。
これだけ実力差があれば受けざるを得ない。
白牛は屈辱この上ないだろうか、それはそれ。
白牛相手にあの子はどう反応するだろうか。
それによって、あの子が何を考えているのかわかるかもしれない。
あの子にしていたみたいに頭を押さえつけて犯していたことに気付き、優しくオメガを抱き起こした。
繋がったまま、甘やかしてやろう。
それがこの子が欲しいもの。
それでいいのだ。
ならばそれで。
「愛してるよ」
黄金は甘く囁いた。
欲しいものをあたえてやった。
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