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第146話

「俺のだ」 少年はそう威勢のいうことをいうくせに、屋敷に連れかえり、ベッドに横たえたなら、おとなしくなった。 本来は発情期が来るまでセンターにいるのだが、少年の方が黄金から離れなかったのだ。 ここまで意志が固いなら、と許された。 オメガ唯一の権利だ。 番をえらぶことだけは。 それは優先される。 服をぬがせようとしたら、身体を強ばらせていた。 でも抵抗はしない。 モジモジとモゾモゾと腕の中で硬い動きをしている。 「私が要らないのか?」 言ってみたら、真っ赤になって顔を歪ませる 「要る」 でもそこははっきり言った。 恥ずかしがっているだけだと分かれば、もっと可愛くなった。 まだ発情期は迎えてないのにこうすることはどうだろうかとも思った。 だけど、性的な刺激で発情するだろうという目論見はあった。 服を脱がせたなら、少年というにはいやらしい発達した乳首や微かな胸の隆起、子供にしては大きな疑似性器。 オメガだった。 もうすぐ、大人になるオメガ。 早く大人になって欲しかった。 脚を開いて孔も確かめた。 硬く閉じてはいたけれど、縦割れたそこは間違いなく、生殖するための場所で、指で割れ目を優しくなぞったなら、甘く濡れ始めた。 味わいたくて舐めた。 舐める度に、小さな身体がビクンビクンと震えた。 指で割れ目を開いた。 ピンクの粘膜が見える。 クリトリスや小陰唇の襞がない女性器に似たそこは、男のモノとも女性のモノとも違う、オメガだけの器官なのだ。 ひくつく可愛いそこの割れ目をタップリと舐めた。 太い舌で中までこそげるようにして、零れ出してくる蜜をあじわった。 痺れるような甘い匂いが、その蜜からはした。 すすり泣かれた。 何度も何度も身体を、震わして。 まだ精通を知らない疑似性器は可哀想なくらい腫れ上がっていたけれど、さわってやらなかった。 孔をあじわった。 溢れる蜜に夢中になった。 可愛い少年は鳴き始めた。 もう声も殺せなくなったのだ。 ああっ ふうっ ひぃん 孔に入れた舌の刺激がさざなみのように広がる。 孔の蜜を舌を差し入れ、刮げる度に。 わからないなりに自分でなんとかしようと、勃起した疑似性器に触ろうとする手を絡めとる。 「やだァ・・・、触るぅ!!」 泣いて怒る少年を宥める。 「私がする。私は君のモノだから、ねっ?」 優しくささやくが、そこには触らず、孔だけを執拗に舐めた。 太い舌で奥まで舐めていたら、とうとう少年は、身体を何度も何度痙攣させた。 声にならない叫びをあげながら。 舌が欲しがるように孔に締めつけられて。 イったのだと分かった。 精液こそ出なかったが、勃起したままの技術性器は甘く濡れそぼっていた。 「気持ちよかった?」 黄金は少年に聞いた。 少年は真っ赤になった。 可愛い。 本当にそうおもった。 少年は黄金の一つしかない巨大な単眼を見つめる。 その目にこの身はどう見えているのか。 生まれて初めて不安になった。 「綺麗」 少年がそう言ったから。 黄金の頬を両手で挟み込んで言ったから。 我慢出来なくなった。 唇をむさぼった。 キスするより先にイカせたな、そう思ってわらってしまった。 むさぼりながら、孔に指を入れて、その孔を指で確かめた。 濡れて熱くて。 キツいくせに欲しがっていて。 そこをみつけて擦ったなら、塞いた唇の中に、少年は声を漏らす。 しがみついてくる腕と、必死で応える舌に安堵した。 「私がほしい?」 少年に聞いた。 まだ少年の身体を弄りたおしたかった。 まだ可愛い乳首もかわいがってやってない。 ずっと勃起したままの技術性器もくわえてやってない。 でも。 もう。 欲しくて欲しくて堪らなかった。 孔に入れて、思い切りそこを掻き混ぜて、突きたかった。 でも。 欲しがってもらわないと。 そうでないと、意味がなかった。 「俺のだ!!俺の・・・」 そう少年がさけんで、手を伸ばされ熱くたぎったそこを握られたから。 もう、耐えられなかった。 「そう、君のだ」 脚を押し広げ、孔に押し当てた。 何度も何度も、孔をその巨大なものでなぞった。 「ああっ・・・ほしいつ・・・ほしっ」 少年は泣く。 でも、怯えた。 こんな小さいところに。 入るなんておもえなくて。 でも。 「ばかあ!!欲しいのに!!バカァ!!」 泣き喚かれて。 そして匂いに包まれて。 少年の孔から、身体の毛穴から、唾液から、髪から。 その匂いは溢れてて。 黄金の脳を溶かしていく。 フェロモンだ、とわかった。 自分では分からないが、発情した自分からもフェロモンが出ているはずだ。 歓喜していた。 少年は大人に、なった。 なったんだ。 そして、欲しがって。 自分を欲しがっている。 恐れることなく貫いた。 熱くて締まって、蠢いて。 ドロドロに溶けて、吸いつかれた。 叫んでいたのは黄金だ。 死ぬかとおもったのは黄金だ。 それは快楽というには。 自分の存在がなくなってしまうほどのものだった。

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