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第150話

長い孤独。 10年以上の。 番に似たベータをみつけたら抱いて殺した。 似てたなら誰でも。 その場で犯して、殺した。 黄金は考えていた。 ずっと考えていた。 そして、思いついた。 だがそれは一人では実現は無理だった。 そして思い出した。 黄金の瞳を。 生まれてすぐ開いたあの金色の瞳を。 その頃には黄金は序列一位。 アルファの中のアルファだった。 センターに行けばその子はいた。 番に似ていた。 アルファの子供はベータだけ。 オメガは自分の子供とされない。 そう、だから親子が番となることもある。 いや、違う。 母親を喰らって出てくる化け物だ。 アルファもオメガも。 最初から誰の子供でもない。 愛する番に似ているのはとても良かった。 代わりになどならないが。 その子は番になるのを嫌がった。 誰のモノにもなりたくないと。 それがとても気に入った。 そうでなければならない。 番を選ぶのはオメガの権利。 だが、それを踏みにじった。 最上位のアルファだから。 強制的に発情させた。 それでも、強情に嫌がった。 孔をたっぶり舐めて、指で何度も犯しても、欲しいとは言わない。 本当に欲しいものしか欲しがらない。 そんなところまで番に似てた。 でも、代わりにはならない。 でも。 この子にしか出来ないことはある。 だから犯した。 教え込むために。 孔を楽しんだのはまちがいない。 番を失ってから長く長く一人でいたから、たまらなく美味かったのは間違いない。 ベーターを犯すのとは違った。 オメガは美味い。 それに孔の具合いまで番に似ていた。 犯す。 ひたすら教え込む。 その感触を楽しみながら。 オメガとは何なのか。 その身体に刻みこんだ。 アルファに奥をつかれたら、叫びながら達することを。 アルファの精を身体がどれだけ欲しがるかを。 放たれただけでイく身体なのだと。 じっくり揺らされるだけで、グズグズに溶けて泣きじゃくるのだと。 代わりにはならなくても、似ていた。 それはそれで。 良かった。 教え込んだが、酷いことはしていない。 だからこそ、余計に傷ついたはずだ。 嫌だ嫌だと言いながら、身体は何度も達した。 身体は淫らに開花して、腰をくねらせ、孔で搾り取る。 その淫らさを自覚させるように犯した。 上に跨らせ下から突き上げたなら、泣きながら淫らに自分から動いて、号泣した。 オメガなんだ、 オメガとはこういうことなんだ それを教えた。 教えこんだ。 事あるごとに。 そして、待った。 叛逆の魂が育つことを。 なんて愛しい。 愛しい番。 どんなに犯しても従わない魂を愛した。 他のアルファに犯させた。 ベータにだって犯させた。 それらすら、その子の自由をもとめる魂を強くしただけだった。 愛した番とは違う意味で愛していた。 自分を選んでくれた番とは違い、この子は自分が選んだ共犯者だった。 あの子は逃げてみせた。 監視を甘くなどしてなかった。 だから。 見事に逃げた時には感動した。 傑作を作りあげたのだと。 凄まじい怒りを抱いた、自由な魂。 あの子は、黄金の傑作だった。

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