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第157話

番は狂った。 そんな風に抱かれたことはなかった。 オメガの身体に残った少年の形跡を味わい確かめたがった。 欲しがった。 孔に残った描き出しきれなかった、精液を指で掻き出され、孔を舐められた。 「柔らかい。ここにあの子が入ったのか」 孔を舐められ味合われた。 この執拗さを知らない。 こんな番は知らない。 「腫れるまでここを擦って貰えたか?」 指で、コリコリになってる孔のそこを確かめられた。 ひぃ オメガは身体を震わす。 もう、ドロドロになるほどイきつづけているのだ。 「あの子にここをしゃぶって貰ったか?あの子は上手かっただろ?」 孔を指で責められながら擬似性器を咥えられた。 そこをなめてしゃぶった少年の唾液を味合おうとするかのように、吸い、舐め、しゃぶりつくす。 もう勃起すらしない。 舐められ味わわれるだけで、数時間をかけられているのだ。 出ないはずなのに、ダラダラと溢れるし、それでもまだイクのだ。 ほとんど出ていないのに。 番は挿れようともしない。 こんなに大きく硬くなっているのははじめて見たのに。 オメガの中の少年を味わうことの方が、快楽よりも大切なのだ。 そこに、震えた。 悲しみで、イった。 嗚咽していた。 身体にのこった少年の跡、一つ一つを夢中で確かめる番に心が冷えて。 でも、イった。 「腹の奥になら、まだあの子のが残っているかもしれないね。出しては貰ったんだろ、この奥に」 やっと番が挿れた理由は。 少年の精液を感じたいからだった。 乱暴に突き立てられた。 少年の精液を探すためだけに。 そして、奥にのこったその感触に番は声をあげて喜んだ。 「ああ、あの子だ。あの子だ」 その精液を味わうためだけに腰を動かし始めた。 「ここであの子を絞った?締めた?まとわりついた?」 孔を楽しみながら番が言う。 孔じゃない。 あの少年の精液を楽しんでいる。 今までになく腰を使われた。 じっくりじっくりと。 「もう・・・もう・・・やめ、やめて・・・」 そう言っても止めて貰えなかった。 少年の精液に包まれている陰茎が番はうれしくてたまらないのだとわかった。 孔はそのための道具でしかなかった。 何度も何度も死にそうになって感じているオメガなど、どうでもいいのだとわかった。 「愛してる」 それは。 自分への言葉ではない。 自分の精液と少年の精液を混じり合わせるためだけに射精され、そして、また混じり合うのを楽しむためでけに動かれた。 「 」 何度も呼ばれる名前は。 オメガの名前ではなかった。 「いやぁ・・・」 泣いた。 気持ちいいのが嫌だった。 今まで1番深くイカされた。 オメガに生まれたことを初めて悔やんだ。 だってたまらなく良かった。 ただ少年とつながるためだけに使われているのに。 代わりになんかならない、方が良かった。 こんなに、求められるよりも。 「いやぁ!!!!」 泣き叫んでも、孔を求めれた。 混ぜ合わせ、精液を感じるためだけの器として。 溶けあい、擦れ、求められていないのに執拗で。 器として使われて。 でも。 いつもよりも求められていることに身体は喜んで。 冷たく凍る心と熱い身体は溶け合わない。 でも、痛みと悲しみが、さらに深い波にオメガを攫ったのだった。 熱くて冷たくてくるしくて、気持ち良かった。 「愛している」 番はとても。 嬉しそうだった。

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