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第16話 え!? ①

何か悪いこと言われるんじゃ… 俺、何か悪いことしたかな? 「あの…、それって……」 直継が話しかけた時、 「俺、直継君のことが好きだ」 「!!!!」 あまりに唐突に思いもよらない言葉が忠直の口から発せられ、直継は驚きすぎ頭が真っ白になる。 「ファミーユが再オープンした日より前に俺と直継君、会ったことあるんだよ。その日からずっと俺の心の中に直継君がいるんだ」 「…え…?」 それって…もしかして、《《あの日》》の事言ってる? 忠直さんと初めて会った時、俺12歳だよ。 その時からだなんて… そんなのありえない。 もしかして人間違いしてる? 他の人と俺とを間違えてる? どっち? 好きだと言われた嬉しさと、人間違いをされているかもという気持ちで直継の胸が苦しくなり、瞳が不安で揺れる。 「直継君は覚えてないかもだけど…」 「それ、きっと人間違いです!!」 直継は忠直の言葉を遮った。 言われたくなかったのだ。 忠直の話を最後まで聞いて、人間違いだと忠直が気付き訂正されるのを。

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