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第19話 本当ですか? ①

「本当…ですか…?」 まだ忠直の言葉が信じられず、直継は忠直に聞き返す。 忠直さんが俺なんて好きになるはずないんだ。 こんなに素敵な人。 もっと素敵な相手がいるに違いない。 俺なんて…… 「本当だよ。俺は直継君が好きだ」   忠直の瞳の奥にあった不安が消えていく。 今は不安より、直継に自分の気持ちを伝えたい、信じてもらいたい気持ちが強くなったから。 でも、直継の表情は曇ったまま。 「どうしたら、信じてくれる?」 優しく忠直が直継に聞くが、 「わからない…です」 直継はまた下を向いてしまった。 「じゃあ、俺が直継君の好きなところを言っていくよ。まずはじめに『可愛い』だろ。具体的に言えば、笑顔とか天使みたいだ」 「!!」 可愛いや天使と言われ、直継は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしながらガバッと顔をあげた。 「あと、照れた時の真っ赤な顔も可愛いし、一生懸命店の仕事してる時も可愛……」 「もーわかりました!!わかりましたから黙ってください!!」 可愛いが弾丸のように飛んでくるのに耐えきれず、ますます顔を赤くした直継は忠直の口を両手で抑えた。

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