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第23話 7年越しの恋が叶う時
愛美が病院に向かって4時間がたった。
徐々に直継と忠直の顔に心配の表情が浮かび始めた…その時、静まりかえっていた店内に、直継のスマホの呼び出し音が鳴り響く。
急いで通話を押しスピーカーにしたと同時に
「もしもし!明久さん、愛美さんは!赤ちゃんは無事ですか!?」
直継は今までの心配を、スマホの向こうにいる明久にぶつけた。
「生まれた!今さっき生まれた!元気な男の子!3655グラムだって!大きい方だって言われた!愛美も無事!赤ちゃんも元気!!俺……幸せだーーー!!」
スマホ越しの明久の喜びの声が、今までしんと静かだった店内に響いた。
「おめ…おめでとう…ご、ございまずーー」
直継も嬉しさのあまり涙が溢れ出し、言葉が噛み噛みだ。
「本当におめでとうございます。お店のことは心配なさらないでください。臨時休業の準備もしておきます。だから今日はゆっくり愛美さんと赤ちゃんのそばにいてあげてください」
明久が店の心配をしないでいいように話す忠直の目も、涙で潤んでいた。
「ありがどうございまずーー。また写メ送りまずーー」
「ありがとうございます。でもまずゆっくりしてください」
号泣しているであろう明久に声をかけて掛け忠直は電話を切っると、安心から泣きじゃくる直継を忠直が抱きしめる。
どこまでも優しい|直継君《この子》を守っていきたい。
そして大事に、大切にしていきたい。
一緒に歩いていきたい。
どんな時も…
直継君と出会って7年。
7年越しの恋が叶ったなんて、おとぎ話みたいだ。
そのおとぎ話みたいな2人の出逢いと気持ちは、輝く宝物だ。
君に出逢えて、俺の人生が変わったよ。
君に…直継君に出逢えて本当に幸せだよ。
俺と出逢ってくれて、好きになってくれて、気持ちを伝えてくれて…
ありがとう、直継。
忠直はもう一度直継をしっかり抱きしめた。
この気持ちが伝わりますようにと……
ーー終わりーー
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