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第22話 7年越しの ②
!!!!
忠直も泣いていた。
31歳の大人が涙を拭きもせず泣いていて、その顔が可愛く愛おしく感じた直継は、ふっと笑ってしまった。
「なんで忠直さん泣いてるんですか?」
「嬉し涙が止まらない」
笑っている直継につられ、忠直は泣きながらも笑ってしまう。
「直継君。俺、こんなおじさんだけど、俺と付き合ってくれませんか?」
忠直は直継の瞳をしっかりと見つめ、直継も忠直の瞳をしっかりと見つめ返すと、
「はい」
と、一言で答えた。
そしてそのまま忠直の広く逞しい胸の中に顔を埋め、今度こそ心の底から幸せを噛み締めた。
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