21 / 23

第21話 7年越しの ①

「本当に?」 「本当です」 「本当に同じ気持ち?」 「忠直さんと同じ気持ちです」 その言葉を噛み締めながら、忠直が直継の顔を見る。 「俺、相当直継君のこと、好きだよ」 「そこは多分違うと思います」 「…そっか…」 寂しそうに忠直が呟くと、 「多分、俺の方が相当忠直さんのこと好きです」 「!!!!」 さっきまで寂しそうにしていた忠直の表情が、パッと明るくなった。 「だって俺、7年ですよ。7年間、誰も好きにならずひたすらに忠直さん好きだったんですよ。俺の青春、全部忠直さんが好きなんですよ」 そこまで言った直継の目から涙が流れ始める。 嬉しさの涙が。 一度流れ出した涙は止まらなかった。 叶わないと思っていた。 忠直さんを思い続け、気がついたら7年。 7年経ってやっと叶った恋。 『夢なら醒めないで欲しい』 笑ってしまいそうなぐらい、使い古された言葉が頭をよぎる。 でもそれぐらい幸せだ。 同じ気持ちだなんて、嘘みたいだ。 幸せすぎて、涙、止まらないや… 涙で歪む視界の中、直継が忠直の顔を見上げると

ともだちにシェアしよう!