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第7話
これが私の力…お前の周囲のモノ全てを消した。
どうだ?何も見えず、何も聞こえぬ世界は。
無限に続く深淵の世界。ほんの一筋の光もささず、どこまでも続く闇。
耳が痛いくらいの静寂の中、聞こえてきた声に、このような場所にした張本人だと理解していてもなお、ほっとする。
しかし、すぐに心を蝕むように恐怖が這い上がってきた。
「出せ!ここから出してくれ!!」
ほんの一瞬でも気を緩ませたら、狂気に押し入られそうだ。
この手を掴むか?
それとも…。
何もなかった闇の中からぬっと見えた白い手に考える事もなく縋り付く。
「出し…てくれ…暗いのはイヤ…だ…」
フゥッと意識が遠くなり、体から力が抜けていく瞬間、力強く引き寄せられるのを感じた。
「助…け…」
朦朧とした意識の中で、外れた腕を探すように両手を伸ばす。
安心して寝てろ。
囁きが体を包み、伸ばした手をぎゅっと掴まれ、強く抱きしめられた腕の力強さに安心した身体が意識を手放した。
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