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第9話

「ほら、口を開けろ。」 湯気の立った温かいスープと、パンが口の中に放り込まれていく。 自分の食事の質が落ちるのは困ると、食べさせてくれるのはありがたいが…その時だけでも片手でいいから解いてほしいという私の要求は叶わず。 「やる事などそうはないこの場で、お前に食事を与えるというのはなかなか面白い時間なのだよ。お前のそういう顔も見られるしな。」 ふふふと楽しそうに笑われ、その笑顔を向けられ、サイの仇と憎み復讐を誓った相手にも関わらず、それを一瞬でも忘れてしまいそうになった自分に愕然とする。 口元に運ばれたスープから顔を逸らす。 ここでこのように飼い慣らされるくらいなら、いっそ…。 「また埒もない事に思考を費やしているのか…私からの解放はこの城の者全員の命と引き換えと言うことを忘れたか?」 スープを片付け、ベッドに戻ってくると私にかかる布を捲る。 「さあ、私の食事の時間だ。」 嫌だ、もう嫌だ!! 「声に出さなくとも、そのように全身で拒否すれば同じ事…仕方ないな。」 ぎしっと音を立ててベッドから下りた。 「え?」 「ふむ…今回は趣向を変えてみるか…」 くいっと指を動かすと水浴びをしていたと思われる裸体の女性が現れた。 状況がわからず、それでもこの異様な雰囲気に顔が青ざめ、体が震えている。 「…っ!?」 悲鳴が口をついて出ようとした瞬間、彼の者がその口を自分の口で塞ぎ、柔らかい胸を揉みしだく。 「あっ…はぁぁん。」 恐怖よりも与えられる快楽に脳は支配され、体をくねらせる。 足の間に手が入り、私とでは出ない淫靡な音が嫌でも塞ぐことのできない耳に入ってくる。 壁に手をつかされその禍々しいモノが女の体の中に押し入れられていく。 「あぁ…ん…もっとぉ…あぁん…あん、あん、はぁあん!」 女の甘ったるい声と彼の者の腰を打ちつける音。 ぐいっと両足を持ち、抱き抱えるとそのまま私のベッドに女と共に倒れ込みその腰の動きを激しくする。 「どうだ?女の匂い、声、感触…お前にも分け与えてやろうか?」 女を私に跨らせ、それを後ろから突き始める。 目の前で揺れる乳房と女の快楽に酔いしれた顔。 気持ちが悪い…私も同じように、同じような醜態をコイツの前で晒しているのか?! 絶頂に近付いていた女の顔が快楽から苦痛に歪んでいく。 「やめ…てぇ…破裂…破れちゃっ…ぁあっ…いやぁああああーーーー!」 パンと音が鳴ると同時に女の体が分散し、それが降りかかってきそうになった瞬間、全てが消え去った。 「やはりダメか…」 ちっと舌打ちをして私の目の前に先ほどまで女の体内で暴れ回っていたモノが、今でもその禍々しさを保ったままで晒された。 「何を…何をした?!」 それから目を逸らせず、その恐怖を振り払うように大声を出した。 手が首に伸び、きゅっと血管を掴まれた。 苦しさにもがく私を冷たい目で見下ろす。 殺されるのか…? ならばようやく…サイ、お前の元に行ける…。 目を閉じてその苦しさに身を委ねる。 ふと呼吸が楽になり、咳き込んだ。 それが落ち着くや否やずしっとした重さを感じて目を開けた。 瞬間口に手を突っ込まれ無理やり開かされたそこにモノをねじ込まれた。 「ゔーーーーーーーっ」 喉の奥までそれでいっぱいになり、飲み込めぬ涎がシーツを汚していく。 「…お前に死など甘美なものを与えるわけがなかろう?お前は私と共にこの部屋で永遠に私の食事として生き続けるのだ!」 そう言って、腰を激しく動かした。 苦しさに涙が溢れ、頭が白くなっていく。 何かが喉の奥に流れ込み、それを無理やり飲みこまされた。 「刻印を受け入れるか?」」 遠くに聞こえる言葉の意味を考える間もなく、頭を掴まれて無理矢理頷かされる。 「受け入れると言えば今日はもう眠らせてやる。」 その甘い誘惑に考える事を放棄した体が口を動かした。 「受け入れます。」 よく出来た…寝ていいぞ。 その言葉に導かれるように、眠りが私を飲み込んでいった。

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