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プロローグ : 8 *
岩場の上で。
唾液の音が、冬総と秋在の鼓膜をくすぐった。
「んっ、んむ……っ」
両手でしっかりと冬総の逸物を握りながら、秋在はその先端に向かって舌を伸ばす。
とろりと、先走りの液が溢れる。それを、秋在は舌で舐めとった。
「ん、ふふ……っ。フユフサ、気持ちいい?」
「もちろん」
「そっか。……よかった」
両手で包み込むように握りながら、秋在は自分を見下ろす冬総を見上げる。
そして今度は、舌先だけではなく唇を寄せた。
「寂しがり屋で素直なフユフサには、キスしてあげる」
ちゅっ、と。秋在がわざとらしく、音をたてる。
一瞬の口づけにも、冬総の逸物は素直な反応を示した。
「フユフサ、ピクッてした」
「そうだけど……そんな、まじまじと見るモンじゃないだろ」
「じゃあ、ボクのは見たくない?」
「は? 見たい」
答えると同時に、冬総は秋在のズボンに手を伸ばす。
「ん、あ……っ」
慣れた手つきで、冬総は秋在のズボンからベルトを抜く。
そのまま冬総はズボンに手を入れ、下着の上から秋在の逸物を撫でた。
「俺の舐めてるだけで、こうなったワケ?」
「そう、だったかな……? いつ勃ったかなんて、いちいち、覚えてない。……ん、ゃ」
「それもそうだな。……秋在、脱がすぞ」
下着もろともズボンを下げられ、秋在の下半身は夕日のもとに晒される。
熱を持ち始めている、秋在の逸物。まるで壊れ物を扱うかのような手つきで、冬総は秋在の体に触れた。
すぐに秋在は、瞳を揺らす。そして、甘い声を漏らした。
「も、もっと……強く、して……っ?」
「強く、か。なら、こんな感じか?」
「ぅ、あ……っ!」
片手で握り締めると、秋在が驚いたように冬総の逸物を握り返す。
「フユ、フサ……っ。ボクのと一緒に、扱いて……っ?」
離れていた下半身を、秋在は冬総の下半身に押しつけた。
秋在のお願いを、冬総は決して断らない。逡巡はおろか、躊躇すらすることなく。
冬総は秋在の逸物と自身の逸物を、一緒くたに扱き始める。
くちくちと響くいやらしい音に、秋在は思わず耳を傾けた。
だが、冷静ではいられない。秋在はそろっと、手を伸ばした。
「あ、ぁあっ、ん……っ!」
秋在は冬総にしがみつき、与えられる快感をただただ甘受し始める。
呼吸を荒げた秋在は、いつもとは打って変わり分かり易い言葉を遣い始めた。
「フユ、フサぁ……っ! もっと、先っぽ……っ」
「好きだもんな、そこ。分かったよ」
「ひ、ぃあっ!」
冬総が逸物の先端を爪で軽く引っ掻くと、秋在は背を仰け反らせる。
とろとろと、秋在の逸物からは透明の液が溢れた。その液は冬総の手だけではなく、逸物をも濡らす。
「音、おと、ぃ……やぁ、っ」
冬総が手を動かす度に、にゅちにゅちと淫猥な音が鳴る。その音に対し、ついに秋在は首をフルフルと横に振り始めた。
秋在は口では嫌がるものの、体を離そうとはしていない。むしろ……。
「そんなに下半身押しつけられたら、手、動かしづらいんだけど?」
「だって、だって、ぇ……っ」
手を動かせる隙間が狭くなり、冬総が苦言を呈する。
それでも冬総は離れようとはしないし、手を止めようともしない。
「フユフサの、手と、大きいのが……好き、だから、ぁ……っ」
しがみつく秋在が冬総の首筋に額を擦りつけながら、甘えるように本心を漏らす。
そうされると、秋在至上主義の冬総はなにも言えなくなるのだ。
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