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座薬なんかとは、わけが違う。
異物感に、秋在は体を震わせていた。
「指、一本だけ挿れたけど……どうだ?」
グリグリと、根元まで挿入する。
緊張からか、不安からか、あるいは両方からか……。
秋在は体を硬直させながら、両手で顔を隠しつつ答える。
「な、んか……少し、だけ……きもち、わるい……っ」
自分の内側を、他人の指が犯してきているのなら……それは、当然の反応だろう。
それでも冬総は指を抜かず、内側を刺激し続けた。
すると不意に、秋在が息を呑む。
「……っ! そ、そこ、っ! ちが、う……っ!」
秋在の足に力が入り、ベッドのシーツを握った。
後孔に挿入した一本の指が、キツく締めつけられる。
「……ココ、だな? 反応が変わったのは……ッ」
「ひっ、うぁ……っ! そこ、ダメ……っ!」
「駄目なのか? 良さそうに見えるけどな?」
「んぅ、んん……っ!」
指の先に当たった、しこりのような部分。
そこを擦り上げると、秋在は明らかに動揺していた。
けれどそれは、不快感による反応ではない。
「やぁ、め……っ! 戻れ、なく……なり、そう……っ」
――それは【子供】になのか。
――それとも、別の意味で。
秋在の真意を理解するには、二人の距離は遠すぎた。
「俺は春晴に頼まれたからな。……やめないぞ」
「ぁあ、っ!」
挿入する指の本数を、二本に増やす。
秋在は驚きつつも、抵抗の意は示さない。
懸命に、咥え込む態勢をとろうとした。
「ヤッパリ、キッツいなぁ……ッ」
これだけ強く締めつけられて、しかも、温かい。
――ココに、自分のモノを挿れたとしたら。
そんな未来を想像するだけで、冬総の熱は増した。
「んく、う……っ! あ、あそこは、擦っちゃ……だ、めぇ……っ」
ナカで感じたのが、相当受け入れがたいのだろう。
秋在は弱いところを擦ってほしくないと、冬総に懇願した。
(まぁ、普通に無理だけど)
普段はボーッとしていて、口を開いてもヤッパリぼんやりしている秋在が示した、大きな反応。
その姿を見ると、冬総は嬉しくなった。
――『可愛い』とさえ、思ってしまうほどに。
「う、ぁあ……っ! お腹、苦しいぃ……っ!」
三本目の指も挿入して、秋在の反応を眺める。
顔を覆っている腕を、秋在は自身の両手で強く握っていた。
耐えているような……そんな、様子。
(すげェ、エロい……ッ。早く、突っ込みてェ……ッ)
直球すぎる欲望が、冬総の脳内を駆け巡る。
――しかし、相手は男。
――しかも……初めての、肛門性交だ。
(痛く、しないように……大事にしねェと)
指の抜き差しを繰り返し、徐々に【犯される】ということを、覚えさせる。
……これは冬総が望んだ行為ではなく、秋在が求めた行為だ。
ならば……冬総が好き勝手してもいい権利なんて、あるはずがないだろう。
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