三本の指で、秋在が反応したところを執拗に擦る。 「あっ、あ……っ！　うぁ、あっ！」 　なににずっと耐えているのか。 　秋在は自分の両腕を、必死に握っている。 「そこ、だめ……っ！　それ、以上……擦られ、たらぁ……っ！」 「変になるか？　上等だろ」 「ぅあ、んぅっ！　こ、怖い……っ！　気持ち良すぎるのは、怖いぃ……っ！」 　何度も、何度も。 　冬総は指で、同じところを擦った。 　ビクビクと、秋在が体を震わせる。 　冬総が見つめる先にある秋在の逸物も、切なげに震えていた。 「ぁあっ、あっ！　だめ、もうっ、ほんとにぃ……っ！」 「……指、一回抜くぞ」 　いやいやするように秋在が首を横に振ったのを見て、冬総は指を抜く。 　すると、秋在が片方の手で、枕の下をまさぐった。 「ナ、ツ……ナリ、くん……っ。これ、使って……っ」 「コレって……コンドーム？　……用意、良すぎないか？」 「待ってるだけで、大人になんか……なれない、から……っ」 　一瞬だけ、腕を除けた秋在と目が合う。 　大きなクリーム色の瞳は、熱によって……濡れている。 「……ッ」 　思わず冬総は、秋在から視線を外した。 　そしてそのまま秋在からコンドームを受け取り、慣れた手つきで装着し始める。 （何で、男のクセに……ンな、エロい顔するんだよ……ッ） 　これは、秋在に頼まれたからしている行為。 　そのはず、なのに……。 　――思わず、それ以上の意味を求めてしまいそうになる。 　邪魔な考えを払拭するため、冬総はコンドームを付けたそれの先端を、秋在の後孔に擦りつけた。 「本当に、挿れるぞ……春晴」 「……ん。いい、よ……っ」 　恋人なんかじゃ、ない。 　そもそも友達というラインに立てているのかさえ、疑わしい。 　それでも、冬総は……今から、秋在を犯す。 　――【大人】という不確かな場所へと、引きずり上げるためだけに。 「ひ、ぁ……う、んぅ……っ！」 　負荷を最小限にするため。 　冬総は、ゆっくりと。秋在の内側に、自身の熱を侵入させていく。 　徐々に犯されていく感覚からか、秋在は苦し気な声を上げた。 「痛く、ないか……ッ？」 「へ、いき……っ」 「ナカにはいってくる感覚、分かるよな……ッ？」 「う、ん……っ」 　再度、秋在は両腕で顔を隠す。 　両手で強く、腕を握る。 　そうしながら、秋在は腕の下で呟く。 「わかる、よ……っ。お腹の、中が……ナツナリくんので、熱くて――ん、っ！」 　慣らしたとは言え、指と性器では大きさが違う。 　それでいて、本来性交する器官じゃない。 　……そのうえ、処女。 　なのに秋在は、痛がる素振りを見せなかった。 「はや、く……もっと、奥っ、までぇ……っ」 　それどころか、更に深い繋がりを望んだ。 （痛がってないし、それどころか良さげな反応……上々だな） 　求められるがままに、冬総は秋在のナカに自身を沈める。 　――より、深く。 　――奥まで、届くように。 　そうしてゆっくり腰を落としていくことによって、冬総の逸物が根元まで……秋在のナカに挿入されていった。