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根元まで繋がることに成功し。
冬総は一度……息を、深く吐いた。
「はっ、うぁ……あ、っ」
それに合わせて、秋在も浅い呼吸を繰り返す。
(俺、マジで春晴と……セックス、シてるのか……ッ)
自分が男と関係を持つだなんて、冬総はただの一度も思ったことがない。
なのに、何故か……こうなってもおかしくなかったんじゃないかと、思えてくる。
(春晴って、本当に……不思議な奴、だな)
両腕で顔を隠しながら、小さく震える秋在が……可愛くて仕方ない。
冬総は赴くままに、秋在の腕へ、触れる程度のキスをした。
「……動くぞ、春晴」
腕にキスをされた秋在が、小さく跳ねる。
しかし、声による返事はなかった。
冬総はなんとなく、秋在の反応を【無言の許可】と受け取り……ゆっくりと、腰を引く。
「ふっ、ん……っ! あ、ぁあ……っ!」
ゆっくりと、引き抜き。
同じくゆっくりと、差し込む。
秋在が耐えるように震えている間は、そうしてあげようと思ったのだ。
「はっ、あ……っ、んっ! ボク、たち……変わって、いくん、だね……っ」
「……そう、だな。変わっていってる、感じがする……ッ」
「同じ、だね……っ? んっ、ぁ……っ! ナツナリ、くん……もっと、速く……」
「あぁ……わかった、ッ」
許可が下り、冬総は腰の動きを速めた。
すると秋在は、腕の下から漏れ出る声を大きいものにする。
「んぁっ! あっ、あぁ、っ! 気持ち、い……ぃうっ、んんっ!」
ふと、冬総はあることに気付いた。
――秋在が、秋在自身の腕に……爪を立てている、と。
「春晴、駄目だ……ッ! 怪我、するぞ……ッ!」
――だからこそ、冬総の行為は善意からだった。
自分との行為で、秋在に傷をつけたくない。
その一心から、冬総は秋在の手を腕から除ける。
――そのはずみで、秋在の顔から腕を除けてしまう可能性も……予測できずに。
「ひあ、っ! な、んでぇ……っ?」
「あ……」
細い腕の下に、隠れていた秋在の顔。
――その表情は、冬総にとって……刺激的すぎて。
「み、ないで……っ。ボク、まだ……【子供】の、ままだからぁ……っ」
潤んで、熱を孕んだ瞳。
開いた口から零れた、一筋の唾液。
覗く舌は、熟れた果実のようで。
(――駄目、だろ……ッ)
無言の警鐘が、冬総の頭に響く。
危険信号の気配を感じたくせに、冬総にはそれを認識できない。
「ぁあっ、あっ! また、大きく――ん、やあ、っ!」
奥まで突き、そこで動きを止めてしまう。
秋在が不思議そうに見上げてきているけれど、それは逆効果。
――冬総は、自分の理解も追いつかないまま……言葉を発した。
「――俺、春晴のこと……好き、かも、しれねェ……ッ」
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