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冬総は決して、規則正しく、模範的な生徒ではない。
しかし、不真面目な生徒のつもりでもなかった。
「ん、ふ……っ。んっ、は、っ」
――ましてや……授業をサボって、トイレの個室でセックスをするなんて。
――そんな生徒ではない、つもりだったのだ。
「指、もっ、いい……からぁ、っ」
三本の指を、後孔で根元まで咥え込んだ秋在が、ふるふると首を横に振る。
尻を突き出し、冬総が着ていたカーディガンを羽織った秋在の脚は……ガクガクと、震えていた。
――当然、寒さからではない。
「お腹の、奥……あっためて、っ」
指を引き抜くと、秋在の肩が小さく震えた。
――このまま、獣のように後ろから突き上げてしまいたい。
獰猛な欲求を、冬総はすんでのところで我慢する。
「春晴、その体勢……辛いだろ」
狭い個室の中を、冬総は器用に移動した。
そして、洋式トイレの上に腰を下ろす。
「ホラ。……俺に跨って」
両腕を広げ、抱き締める姿勢を見せる。
秋在はサイズの合っていないカーディガンの裾で、自分の口元を隠した。
これはおそらく……焦らしているのか、恥じらっているのか。その、どちらかだろう。
クスリと、冬総は笑みをこぼす。
「ギュッてしたら、あったかいぞ?」
押しの一手と言わんばかりに、冬総はズボンのチャックを下げる。
冬総の膨らんだ股間を見て、秋在はその大きな瞳を揺らした。
「……ん、っ」
ソロソロと、秋在は冬総に近付く。
そんな秋在の腕を掴み、冬総は半ば強引に引き寄せた。
「恥ずかしがり屋な春晴も、メッチャそそる」
「ひ、ぁ……ん、っ」
自分の膝に座った秋在の耳元で、冬総が囁く。
十分に慣らした後孔へ指を這わせると、そこは切なげにひくついていた。
「挿れたい。……春晴、いいか……ッ?」
下着をずらし、硬く反り勃つ逸物を取り出す。
冬総は事前に秋在から受け取っていたコンドームを、自分の逸物へ装着した。
……どうして、秋在がそんなものを持ち歩いているのかは、ひとまず保留して。
秋在の秘所へ、冬総は逸物を当てる。
秋在は恐る恐る、冬総の首に腕を回した。
「……ん。熱いので、いっぱい……あっためて、っ?」
先端を押しつけて、ゆっくりと腰を上げる。
首に回された腕に力がこもり、秋在が冬総の耳元で喘ぐ。
「は、ぁあ……っ。ん、ふ、ぅ……っ」
キツくて、熱い、秋在の内側。
自分の方が温まってしまいそうだと、冬総は内心で呟く。
「んん、ぅ……っ! あ、ぁあ……っ!」
徐々に、犯されていく感覚。
袖を通しただけのカーディガンは、前を留めていない。
秋在は素肌のまま、冬総に上半身をすり寄せた。
(春晴の体……ヤッパリ、冷てぇな……ッ)
水浴びをしていたのか、もしくはそれ以外の理由なのか……。
原因は分からないにしても、秋在は確かにびしょ濡れだった。
平常運転に見えた秋在だったが、やはり表面は冷えている。
「春晴……いっぱい、気持ち良くなっていいからな……ッ」
ぐっ、と……奥を突く。
そうすると、秋在の吐息が熱っぽく……冬総の耳朶を撫でた。
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