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初めて、なんの隔たりもなく繋がって。
脳みそが溶けてしまうのではと心配になるほど、冬総は興奮していた。
「秋在、すげェ……気持ちいい、ッ」
「や、だぁ……恥ずか、しぃ……っ」
「マジで今だけは煽るの勘弁してくれ……ッ」
腰を引くと、秋在が離れたくないと言いたげに締めつけてくる。
逆に腰を落とすと、火傷しそうなほどの熱に包まれた。
「秋在、好きだよ……ッ」
「フユフサっ、ボクも――ん、っ」
キスをすると、秋在がくぐもった声を漏らす。
背に腕が回されると、より近く、秋在を感じる。
――自分は今、世界で一番の幸せ者だ。
――自分は今、過去最高に満たされている。
一つになることは不可能でも……冬総と秋在は今、誰よりも一番、一つに近しい状態だ。
秋在のことが好きすぎる冬総にとって、これ以上幸せなことなんて……存在しない。
腰を打ちつけると、口の塞がれた秋在が、悲鳴に似た吐息を漏らす。
それを空気に溶かしてしまうことすらも勿体無くて、冬総は唇を離せなかった。
「んっ、ふぅ、ん……っ! んむ、んぅ、っ」
断続的な吐息が、流れ込んでくる。
冬総は今……五感の全てで、秋在を感じているのだ。
そしてそれは、秋在も同じ。
「んぅ、んっ! んんっ、んむぅ!」
秋在の吐息が、徐々に荒々しくなっていく。
直接繋がっている秋在の内側は、忙しなく収縮していた。
唇を離すと、唾液の糸が引く。
「あっ、ぁあっ! フユフサ、フユフサぁ……っ! ボク、もっ、出ちゃいそう……っ!」
限界を訴える秋在も、愛しくて堪らない。
冬総は触れるだけのキスを落とした後、秋在を見つめた。
「秋在……ッ。俺ももう、もたない……ッ」
塵程度に残っている理性が、冬総に進言する。
――このままナカに出すのだけは、やめてあげなくては。
しかし、秋在はそれを見越したかのように。
「――ナカに、出して……っ?」
冬総へ、強請った。
秋在の体を心配する気持ちは、当然残っている。
しかし……冬総も男だ。
――ナカに出せるのなら、出してしまいたい。
苦し気に眉を寄せた後、冬総は。
「――秋在、絶対……幸せに、する……ッ!」
そんな言葉を、吐いてしまった。
元来真面目な性格の冬総からすると、この行為はそれだけ重要なことなのだ。
けれど、冬総と秋在の価値観は違う。
だが……今だけは、そこに目を閉じよう。
「好き、フユフサぁ……っ! 好き、大好き……あっ、ぁあっ!」
秋在の体が、大きく震える。
絶頂へと導かれたのは、秋在だけではない。
「――秋在……ッ!」
促され、求められるがまま。
秋在同様……冬総も、精を吐き出す。
今までで一番、お互いを強く感じた行為に。
「はっ、ぁ……フユ、フサぁ……っ」
「……ん、秋在……ッ」
二人は、満足そうな笑みを浮かべていた。
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