73 / 182
5 : 3 *
秋在の寝間着を、冬総は初めて見た。
「ん……っ!」
パジャマを着ているかと思っていたが、どうやらジャージらしい。
ガッカリしたような、秋在らしいような……。
どちらにしても、初めて見る秋在の姿はなんだって嬉しい……というのが、冬総の本音だ。
「秋在……顔、見たい……ッ」
腰を持ち上げて、距離を詰める。
すると、後孔を犯されている秋在はゆっくりと、首を横に振った。
秋在は今……抱き締めていた枕に、顔を埋めている。
そして、冬総に背を向けているのだ。
「見せてくれないのか……?」
「まだ、だめ……っ」
「秋在、お願い……」
「だめ……ん、っ」
わざと秋在の好きなポイントを擦っても、秋在は枕から顔を背けてくれない。
こうして後頭部を眺めて抱くのも嫌いではないが、やはり、どうせなら顔を見たいというのが男心。
しかし、秋在は頑なだった。
「まだ、十五歳を引きずってるから……だめ、なの、っ」
「それでもいいから、顔が見たい。……秋在、駄目か?」
「だめ……っ」
強情だ。
無理矢理体勢をひっくり返すことは可能だが、せっかくの誕生日。
秋在の機嫌を損ねたくはない。
顔を見ることを諦めた冬総は、秋在のうなじに唇を寄せた。
「ひゃ、あ……っ!」
キスマークの一件以来。
秋在は首に触れられると、甘い反応を示すようになった。
軽く歯を立てると、後孔が収縮する。
「ん……ふ、っ」
枕を握る手に力を込めて、秋在は快感に耐えているようだ。
「秋在、可愛い……ッ」
「は、ん……っ! んん、んぅ……っ」
歯を立て、舌で舐め、痕を残すように吸い上げる。
そうした愛撫を施されれば、首筋が性感帯となった秋在は、ただ甘い吐息を漏らすしかない。
「んぅ、ん……っ! は、ぁ……っ!」
小さな体が、震えている。
快楽を必死に耐えている秋在は、冬総の目には愛しく映って仕方ない。
「ナカ、すげェ、ビクビクしてる。……エロくて、メチャクチャ可愛い……ッ」
「はっ、ぁん……っ!」
「秋在……せめて、声が聴きたい。……それも、駄目か?」
背を向けたまま、秋在はくぐもった声で答える。
「まだ、十五歳だから……っ」
「そっか。……分かった」
「んっ、んんっ!」
奥を狙って、何度も秋在の体を穿つ。
枕に顔を押しつけた秋在からは、くぐもった声しか聞こえない。
それでも、物欲しそうにひくついた後孔が、全てを物語っている。
「秋在、イきそう……ッ」
「ん、ふ……っ! ボク、もぉ……っ」
お互いが達した後。
冬総は秋在の体を抱き締め……ぼんやりと、考えた。
――どうやら、今日の秋在は。
――いつも以上に、俺のことを振り回しそうだ……と。
ともだちにシェアしよう!