103 / 182

7 : 6 *

 秋在は、毛布の下で。 「あ、ぅ……ん、っ!」  なす術もなく、体を震わせていた。  秋在の服は、最低限しか脱がせない。……冷やしてはいけないからという、ささやかすぎる配慮だ。  挿入なんていう、秋在へ負担をかけるような行為は、一切無し。  冬総はただ、秋在の逸物を口腔で愛撫するだけ。 「あっ、ん……っ!」  唇を窄めると、秋在が身を強張らせる。 「ひゃっ、ぁう……ん、っ」  舌先で先端をつつけば、秋在はシーツを握った。 「ぁあ、あ……ひっ、ん、っ」  喉奥まで咥えて、わざと音を立てて、吸う。  そうすると、秋在はただ……切なげな声を漏らすしかできなかった。 「きもち、いぃ……っ! あっ、フユ……フサぁ、っ」  毛布の中で、秋在が身をよじる。  そんな秋在の服へ、冬総は手を入れた。 「ひ、あ……っ!」  そして、秋在の性感帯である乳首を……そっと、つまむ。  秋在が腰を跳ねさせたが、それは一瞬のこと。 「んぅ、ん……っ! は、ぁ……っ!」  まるで耐えるように、秋在は再度、シーツを握り締めた。 「胸、だめ……っ。ボク、弱くて……あ、っ」  悶える秋在が、可愛く見えて仕方ない。 (こんなに可愛くて、オマケにエロいんだぞ。……俺が耐えられるワケねェだろっつの)  思わず、内心で文句を呟く。 「ぁあ、あ……っ! す、きぃ……っ」  秋在の体が、小刻みに震え始めた。  口の中には、先端から溢れた先走りの液が溢れている。 「好き、あっ、ん……っ! フユフサ、好きぃ……っ、大好き、すきだよぉ……っ。……あっ、は、んぅ……っ」  秋在の反応を見たら。  限界が近いなんてこと、すぐに分かる。 (本当は、もうちょっと焦らしたいけど……)  今の秋在は病人だ。  冬総は焦らすことなんかをせず、そのまますぐに……秋在を、絶頂へと導いた。 「はっ、ぁあ、あ……っ! だめ、で、ちゃうぅ……ん、あぁ、っ!」  秋在の熱が。  冬総の口腔へ、注がれる。  迸った秋在の劣情を、冬総は一滴残らず飲み込んだ。 「ぁ、う……ん、っ」  くたりと脱力した秋在から、口を離す。  服をしっかりと着させた後、冬総は秋在を、抱き締めた。 (……これは、なんて言うか……)  ――達成感。  ……と、言うよりは。 (――罪悪感が、半端ないんだが……ッ)  善がる秋在を見て、冬総は自分の熱を持て余している。  できることなら、秋在の体で達したい。  もっと秋在に触りたいし、可能であれば触ってほしい。  端的に言ってしまえば……抱いてしまいたかった。  ……しかし。 (何で、俺は……熱出して弱ってる秋在に、手を出しちまったんだ……ッ!)  求めてきたのが、秋在だったとしても。  ――劣情を上回る、罪悪感。  ――秋在至上主義が、聞いて呆れる。  ――自分は、最低だ。  それらの自責により……冬総は賢者モードへと、強制的に突入させられた。

ともだちにシェアしよう!