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秋在は、冬総がプレゼントした枕を、抱いている。
「は、ぁ……ん、っ」
――マフラーを巻き。
――手袋をはめ。
――コートも着たまま。
秋在は部屋で、冬総と繋がっていた。
「秋在のナカ、いつもより熱い気がする……ッ」
――熱のせいか。
そう思っての言葉だったが、秋在には別の意味で聞こえたらしい。
「だ、って……ん、っ! フユフサと、エッチするの……ひ、久し振り、だからぁ……っ」
――いつも以上に、冬総を求めているのか。
そんな解釈をしたようだ。
秋在の好きなポイントを、何度も何度も、ゆっくりと突き上げる。
秋在への負担を、少しでも軽減させるため……今日の冬総は、激しく動くことを律していた。
「あっ、あ、っ! そこ、ばっかりぃ……ん、だめ、だよ……っ!」
「でも、メチャクチャ締まってる……ッ。秋在、気持ちいいか……ッ?」
「ぅん、っ、ん……っ! 気持ち、いぃ……っ! でもっ、そこばっかりは……あ、あっ!」
枕を抱き締めて、秋在は冬総を見つめる。
「全身、フユフサでいっぱい……っ」
手袋の下に指輪もはめている秋在は、全身を冬総に包まれているような感覚らしい。
……実質、ほとんどそういう恰好だ。
秋在は口を開き、冬総を見上げた。
「フユフサの、唾液……ボクに、ちょうだい……っ?」
「キスしてほしいってことか?」
「粘膜接触は、だめ……っ。……た、垂らして……っ?」
妙な配慮に、単純な冬総は思わずときめく。
触れてしまわない、ギリギリの距離感。
冬総は秋在の口に、求められるがまま……唾液を垂らした。
「ん、ふ……は、っ」
秋在はそれを、懸命に飲んでいる。
――その姿は、あまりにも官能的で。
「フ、ユフサ……っ? 何で、大きく……っ?」
「煽る秋在が悪い……ッ」
「ネットで、ウワサの……煽君悪、だぁ……っ」
「『あおきみわる』って何だ……?」
冬総の問いに、秋在は困ったように笑っているだけ。
その笑顔すらも、今の冬総にとっては蠱惑的だ。
「秋在、ごめん……ちょっとだけ、激しくする……ッ」
「うん、平気……っ。もっと、シて……っ?」
脚を抱え、貫く角度を変える。
秋在は体を強張らせて、冬総からの行為を受け止めた。
「あっ、あ、っ! んっ、や……あ、はぁ、っ!」
激しいピストン運動に、秋在の声が断続的なものとなる。
「は、ぁあ、っ! ダメ、フユ……ん、っ! ボク、出ちゃう……っ!」
「あぁ、いいぞ。……俺も、もう出そう……ッ」
「んっ、だ、してぇ……っ! ナカが、いぃ、っ! ぁあ、あっ!」
ぐぢゅり、と、淫猥な音が鳴った。
その瞬間。
「ひっ、ぃ、ぅあ、あぁ、っ!」
秋在が、背をしならせる。
それと同時に、冬総は秋在の男根をティッシュで押さえた。
――『服を汚したくない』と、秋在が言ったからだ。
秋在の最奥に、冬総は熱を注ぐ。
「はぁ、あ……は、っ」
放心した様子の秋在を眺めて、冬総は顔を近付ける。
――唇に、キスをしたい。
しかし、秋在がそっと顔を背けた。
「……悪い子」
「病人を抱いた罪悪感でいっぱいの俺に、その言葉はかなり効く……」
「それは……サンタさん見てないから、大丈夫……っ。サンタさんは、忙しいから……っ」
「都合のいいサンタだなァ……」
仕方なく、秋在の頬にキスを落とす。
そうすると、秋在は冬総の唇にそっと、指を這わせた。
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