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秋在からの口淫は、終わらない。
「は、ふ……っ、ん」
甘噛みをした後、秋在はゆっくりと……冬総の逸物を、口に含んだ。
先端を、舌先でチロチロと舐め。
そのまま、根元に向かって舌全体を這わせる。
微弱な快感に、冬総は眉を寄せた。
「秋在……ッ」
「ん、んむ……っ」
「い……ッ! ご、ごめんなさい……もう、しません……ッ」
頭を撫でようと、再度、手を伸ばす。
そうすると、秋在がすぐに歯を立てる。……制裁だ。
冬総は謝罪の言葉を口にした後、名残惜し気に手を引いた。
(俺、秋在に舐められるの……意外と、初めてな気がする……)
いつもは自分が秋在を可愛がってばかりだったと、冬総は考える。
秋在のことを甘やかし、目一杯愛してあげるのは……冬総なりの愛情。
秋在が嬉しいなら自分だって嬉しいし、秋在が気持ちいいと感じてくれているのなら、それが冬総にとっての快感だ。
だからこそ、こういった行為の際には……どうしていいのか、分からない。
身の振り方が分からず、冬総は視線を下げた。
(秋在……必死に、俺のを舐めてる……)
決して、秋在のフェラは上手ではない。
どちらかというのなら……下手だ。
与えられる快感は微弱だし、動きやテンポも一定。
これでは、射精だなんてできるはずがない。
(もしかして……これは、そういう【お仕置き】なのか……ッ?)
だとしたら、効果的だなんて言葉では済まされなかった。
冬総は秋在を見つめて、言葉を紡ぐ。
「あ、秋在……もっと、激しくできないか……ッ?」
「ん……っ、こ、う……っ?」
秋在の唇が、何度も冬総の逸物を撫でる。
しかし……やはり、足りない。
(今、俺の言ったことに応えようとしてくれた……よな?)
ということは、イかせないことが目的ではない……ということ。
(エロいことをするのが目的で……【お仕置き】ってのは、口実? それとも……?)
もう一つの、可能性。
冬総はおもむろに……秋在と、距離を詰めた。
「ん、む……っ!」
不意に距離を詰められた秋在の喉奥に、逸物が当たる。
驚いた様子の秋在には気付いていながら、冬総は疑問を解き明かそうと……手を、伸ばした。
――秋在の、下半身へ。
「――ひゃ、ぅ……っ!」
秋在が、慌てた様子で声を上げる。
しかし……冬総は、解明したことを告げた。
「――もしかして、秋在……俺の舐めてるうちに、その気になった……のか?」
「……っ」
冬総が触れた、秋在の逸物。
制服越しにでも分かるように……そこは、硬くなっていた。
秋在は小さく反応を示した後、再び黙る。
……しかし、どうやら間違いではなかったらしい。
「……ボク、まだ……怒ってるんだからね」
「ご、ごめんッ! 調子に乗――」
「だから、ボクの言うこと……ちゃんと【何でも】聞いてね」
男根から、口を離し。
「ボクが、勃たせてあげた。……フユフサが悪い子だから、ボクのも……た、勃った……と、思う。……だからっ。ちゃんと、フユフサが……責任もって、治して……っ」
冬総は……いつもの、甘え上手な秋在が好きだ。
しかし、今日の秋在はどうだろう。
ツンとしていて、素っ気無くて。
だけど、可愛らしい。
「……い、挿れさせて、ください……ッ」
頭を下げて、懇願する。
そうするとようやく……秋在から許可が下りた。
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