指や逸物と違い、舌は奥まで届かない。 　それでも、秋在には十分すぎるほどの快感だった。 「んんっ、ん……っ！　あっ、入って、きて……は、ぁ……っ！」 　立てられた冬総の膝に、秋在は手をのせる。 　そのまま強く握って、冬総から与えられる快感に身を震わせた。 （秋在のナカ、熱いな……。舌、溶けそう……ッ） 　舌の抜き差しをしながら、冬総はぼんやりと考える。 　尻の割れ目を開くように、冬総は秋在の臀部を両手で握った。 「あぁ、っ！　さ、触っちゃ、だめ……っ」 　敏感になった肌は、そんな些細な触れ合いにすら粟立つ。 　ゾワゾワと快感を駆け巡らせながら、秋在は冬総の膝を握る。 「もう、だめ……っ！　舐めるの、だめだよぉ……んぁ、っ！」 「もうちょっと……ッ」 「吸うのも、だめだって……や、ぁ、っ！」 　にゅるりと、舌が秋在の内側を弄ぶ。 　しかし『舐めてはいけない』と言われたのならば、別の手を使うまで。 　冬総は入り口にキスをして、愛でるように吸い上げた。 「もぅ、おねが……っ」 　無意識に、秋在が逃げ出そうとする。 　そのことに気付いた冬総は、動きかけた秋在の足首を掴んだ。 「ひ、あ……っ！」 　皮膚が敏感になっている秋在は、ただ掴まれただけでも悲鳴を上げた。 　片方の足首を掴んだまま、冬総は秋在の逸物へもう片方の手を伸ばす。 　脱ぎ掛けの下着は、秋在の逸物を隠していたが……ぐっしょりと、濡れている。 「そこ、触っちゃだめ……っ！　だめ、フユフサ、止まって……っ！」 　秋在の限界は、近い。 　逃げ出したことが、その証拠だ。 　下着の上から、冬総は秋在の逸物を扱く。 　口では、後ろへの愛撫を続けながら。 「あっ、はぁ、あ……っ！　出ちゃ、う、からぁ……っ！　もっ、舌……抜いてぇ、っ」 　真っ赤になった秋在は、何度も何度も首を横に振る。 　しかし、もう逃げようという気持ちはないらしい。 　『抜いて』と言いながら、秋在は冬総の顔に自らの下半身を押しつけている。 　……勿論、秋在本人は気付いていない。 「だめ、だめぇ……っ！　イく、イっちゃ――はぁ、あっ、あぁ、あっ！」 　――ビクリ、と。 　冬総の上で、秋在が体を震わせた。 　下着の中には、熱い飛沫を飛び散らせ。 　冬総の舌を、後孔で締めつけながら。 「ひぅ、はっ、ぁ……っ」 　秋在は、絶頂を迎えたのだ。 　肩で息をして、秋在は呼吸を整える。 　下着越しでも十分に湿った手を、冬総は秋在の逸物から離す。 　そして、唾液によって濡れた後孔へ。 「秋在。……もうちょっとほぐしたら、挿れてもいいか……？」 　指を三本挿入しながら、冬総は秋在へ訊ねる。 　答えなんて、求めているようで求めていない。 　秋在は体を震わせながら、冬総を振り返った。 「……っ。ボク、なにも言ってないのに……もう、指……っ」 「舌の方がいいか？」 「…………バカ、ヘンタイさん……っ」 　結局。 　秋在からの返事は待たずに、冬総は秋在の内側を指でほぐし続けた。