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 玄関で、冬総は秋在を押し倒した。 「や……っ。待って、だめ……っ」 「ご両親、いないんだろ? ……それでも、駄目か?」 「だって、ここ……玄関、だから……っ」  制服のボタンを外し、冬総は秋在を見つめる。  真っ直ぐに見つめられた秋在は、堪らず瞳を伏せた。 「……外に行ったり、外から帰ってくる度に……毎回、思い出しちゃうよ……っ」  マフラーに顔を埋めて、秋在は囁く。  ――それが、逆効果になるとも知らずに。 「じゃあ、ますますここでシたい。……俺のこと、どんな些細なときでも思い出してほしいから」 「フユフサ……っ」 「脚、開けるか……?」  制服の上から、秋在の太腿を撫でる。  そうすると、秋在は固く目を閉じた。  ――そのまま、ゆっくりと……脚を、開く。 「可愛い……。秋在、好きだよ」 「あっ、うぅ……っ」 「ここで抱きたい。……ヤッパリ、嫌か?」  ベルトを外しながら、冬総はわざとらしく眉尻を下げる。  ――今日は、冬総の誕生日。  ――そして、秋在はようやく……冬総を、独占できるようになった。  そんな状況の中で、秋在が冬総を拒絶する可能性は……。 「……一回だけ、だからね……?」  一パーセントだって、存在しない。  指を舐めて、湿らせる。  そのまま冬総は、秋在の後孔へ指を伸ばした。 「ひっ、ぅ……ん、っ」 「秋在の体、冷えててメチャクチャ冷たいけど……ナカは、メチャクチャ熱い……ッ」 「やだ、そんなこと……ヘ、ヘンタイさんみたいだよ、フユフサ……っ」 「秋在が相手だと、知能指数が下がるんだよ」 「うぅぅ……責任転嫁だ……っ」  指を三本入れても、秋在は痛みを訴えない。  それだけ、秋在の秘所は冬総を覚えてしまったのだ。 「ココ……好きだよな、秋在?」 「あ……っ!」 「指の腹で擦ると、すげェ締まる……ッ。俺ので突くと、萎えててもすぐ勃つしな?」 「な、なんか……今日のフユフサ、やだぁ……っ」  勿論、本心からの言葉ではない。  秋在の頬は、うっすらと朱に染まっている。  それは、外から戻ってきたことによる寒さだけが理由ではない。 「んっ、あ……ぁあ、ぅ……っ」  秋在の体が、小さく震える。  露出した逸物は、先端から蜜を溢れさせていた。 「フユ、フサ……っ。そこ、も……だめ、ぇ……っ」  もしも、冬総が秋在の制止を無視したら……。  ふるふると震えた、秋在の男根。  触れずとも、どうなるのか……冬総は分かっていた。 「ごめんな、秋在。……今日は、秋在のことを目一杯可愛がりたいんだ」 「そ、んな――んっ、ぁあ、あっ!」  秋在が特に、反応を示す箇所。  何度も秋在と肌を重ねた冬総は、当然【そこ】を知っている。  三本の指で、何度も同じところを擦ってみせると。 「だめ、だめぇ……っ! イ、っちゃぅ……フユフサ、おねが――ぅあ、あっ、ふあぁ、っ!」  ギチッ、と。  強く、秋在の後孔が冬総の指を咥え込む。  それと、同時に。 「――はっ、あ……あぅ、う……っ」  肩で息をする秋在が。  白い飛沫を、飛び散らせていた。

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