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ベッドの上に乗り上げた秋在に、冬総は何度もキスをする。
「んっ、ふ……ふぁ、あ……っ」
口腔を舐ると、秋在は体を震わせた。
秋在の制服からベルトを引き抜き、冬総は手早く秋在を脱がしていく。
「寂しかったか?」
唇を離し、冬総は自身の膝に乗った秋在へ訊ねる。
秋在はムッとしたような顔をして、冬総の鼻の頭を噛んだ。
「嫌い」
「う……ッ。フィジカル的にもメンタル的にも痛いぞ……」
「ナツナリくんなんて嫌い」
下を脱がされた秋在は、すぐさま挿入された冬総の指を後孔で締め付ける。
「でも、ココ──」
「『ココは俺のことが好きみたいだぞ』って言ったら、もっと嫌いだから」
「秋在ァ……ッ」
勿論、冬総はツンツンしている秋在にも胸をときめかせた。
しかし、あまりにもツレない態度を続けられると、心が摩耗してしまう。
「……俺のこと、本当に嫌いか?」
自身に跨った秋在を、冬総は上目遣いで見つめる。
まるで、捨てられた子犬のようだ。
「…………嫌い」
「そうか……」
「嫌いだから、好きになりたい。好きになれるように、頑張って」
そう言い、秋在は冬総に抱き着いた。
「ナツナリくん……っ」
耳元で囁かれ、冬総はドキリと胸を高鳴らせる。
「……なんか、初めてシた時のこと思い出すな……」
「ボクも、思い出してた」
「……春晴」
一年ぶりに、苗字で呼んでみた。
そうするとなぜか、秋在の後孔は切なげに冬総の指を締め付ける。
「好きだよ、春晴。あの頃より、今の方が……もっと、好きだ」
「んっ、やっ、ぁん……っ」
「もう、結構限界……ッ。春晴、挿れるぞ」
指を引き抜き、秋在の体を支え直す。
そして、冬総は秋在の後孔に逸物の先端を擦り付けた。
「あの時みたいに……ゴム、した方がいいか?」
フルフルと、秋在は首を横に振る。
「さっき、自分で『もったいない』って言ってた」
文句を言うように呟く秋在の唇に、冬総は一度だけキスを落とした。
至近距離で見つめ合い、秋在が瞳を伏せた後……。
「あっ、んん……ふっ、あ……っ!」
冬総はゆっくりと、秋在の後孔に逸物を埋めていく。
「くッ、ヤバい……ッ! さっきから我慢してるから、すぐ出そう……ッ」
「や、だぁ……っ。まだ、出さないでぇ……っ」
「その声もかなりクる……ッ!」
だが、他ならぬ秋在からの頼みだ。
冬総は達してしまわないよう、懸命に自身を律した。
「好きだ、春晴……ッ」
「苗字、やだ……っ。ボクも、呼ばれたい……っ」
「ン? 名前か?」
もう一度、秋在は首を横に振る。
そのまま、秋在は甘えるように冬総へ抱き着き直す。
「――三個目の、お願い……っ。『アキちゃん』って、呼んで……っ」
甘い声に。
冬総の逸物が、またしても硬度を増した。
「アキちゃん」
「ひゃっ、あ……っ!」
「好きだよ、アキちゃん。世界で一番、アキちゃんが好きだ」
「んっ、ぅあ、あっ」
愛称で呼ぶたびに、秋在はビクビクと体を震わせる。
そこで、ようやく気分を直したのだろう。
「――ボクも、フユくん……好き、っ」
待ちに待った言葉を、冬総は秋在から受けることができた。
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