181 / 182

(1 : 5 *)

 ベッドの上に乗り上げた秋在に、冬総は何度もキスをする。 「んっ、ふ……ふぁ、あ……っ」  口腔を舐ると、秋在は体を震わせた。  秋在の制服からベルトを引き抜き、冬総は手早く秋在を脱がしていく。 「寂しかったか?」  唇を離し、冬総は自身の膝に乗った秋在へ訊ねる。  秋在はムッとしたような顔をして、冬総の鼻の頭を噛んだ。 「嫌い」 「う……ッ。フィジカル的にもメンタル的にも痛いぞ……」 「ナツナリくんなんて嫌い」  下を脱がされた秋在は、すぐさま挿入された冬総の指を後孔で締め付ける。 「でも、ココ──」 「『ココは俺のことが好きみたいだぞ』って言ったら、もっと嫌いだから」 「秋在ァ……ッ」  勿論、冬総はツンツンしている秋在にも胸をときめかせた。  しかし、あまりにもツレない態度を続けられると、心が摩耗してしまう。 「……俺のこと、本当に嫌いか?」  自身に跨った秋在を、冬総は上目遣いで見つめる。  まるで、捨てられた子犬のようだ。 「…………嫌い」 「そうか……」 「嫌いだから、好きになりたい。好きになれるように、頑張って」  そう言い、秋在は冬総に抱き着いた。 「ナツナリくん……っ」  耳元で囁かれ、冬総はドキリと胸を高鳴らせる。 「……なんか、初めてシた時のこと思い出すな……」 「ボクも、思い出してた」 「……春晴」  一年ぶりに、苗字で呼んでみた。  そうするとなぜか、秋在の後孔は切なげに冬総の指を締め付ける。 「好きだよ、春晴。あの頃より、今の方が……もっと、好きだ」 「んっ、やっ、ぁん……っ」 「もう、結構限界……ッ。春晴、挿れるぞ」  指を引き抜き、秋在の体を支え直す。  そして、冬総は秋在の後孔に逸物の先端を擦り付けた。 「あの時みたいに……ゴム、した方がいいか?」  フルフルと、秋在は首を横に振る。 「さっき、自分で『もったいない』って言ってた」  文句を言うように呟く秋在の唇に、冬総は一度だけキスを落とした。  至近距離で見つめ合い、秋在が瞳を伏せた後……。 「あっ、んん……ふっ、あ……っ!」  冬総はゆっくりと、秋在の後孔に逸物を埋めていく。 「くッ、ヤバい……ッ! さっきから我慢してるから、すぐ出そう……ッ」 「や、だぁ……っ。まだ、出さないでぇ……っ」 「その声もかなりクる……ッ!」  だが、他ならぬ秋在からの頼みだ。  冬総は達してしまわないよう、懸命に自身を律した。 「好きだ、春晴……ッ」 「苗字、やだ……っ。ボクも、呼ばれたい……っ」 「ン? 名前か?」  もう一度、秋在は首を横に振る。  そのまま、秋在は甘えるように冬総へ抱き着き直す。 「――三個目の、お願い……っ。『アキちゃん』って、呼んで……っ」  甘い声に。  冬総の逸物が、またしても硬度を増した。 「アキちゃん」 「ひゃっ、あ……っ!」 「好きだよ、アキちゃん。世界で一番、アキちゃんが好きだ」 「んっ、ぅあ、あっ」  愛称で呼ぶたびに、秋在はビクビクと体を震わせる。  そこで、ようやく気分を直したのだろう。 「――ボクも、フユくん……好き、っ」  待ちに待った言葉を、冬総は秋在から受けることができた。

ともだちにシェアしよう!