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香る一夜

舌を絡めながら片手で腰を抱き、空いた手で頬を撫でてから首筋に降ろす。 首筋から耳朶までまた手を滑らせると紫音の身体が小さく震えた。 甘い唾液を吸ってから口を離すと透明な糸が二人の唇を繋ぐように伸び、斎藤はそれを舌を出して舐める。 「感じやすいな」 斎藤を見上げる紫音の目が濡れて、その目はもっとと強請るように誘うように光る。 ちゅ、ちゅと音を立てる軽いキスをしながら紫音の服に手を掛けると紫音の手がそれを止める。 「先に、入っててください」 「脱がしたい、嫌?」 「…………っ」 「紫音の身体が見たい」 「あ、あなたと同じ身体です」 「作りは同じだろうけど、色や形は違うだろう?」 「い、色って」 「見せて、脱がせていい?」 斎藤の手を押さえていた紫音の手から力が抜けそろそろと外されると斎藤が紫音の上着を一気に脱がせた。 下に着ている白いTシャツを上げながら頬にキスをすると紫音が身体を捻り逃げるのを斎藤はふっと軽く笑った。 Tシャツも脱がせて乱れた髪を撫でて戻してやると紫音が目を閉じて斎藤の手に頭を擦り寄せた。

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