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香る一夜

紫音の手に肩を押されながらも斎藤は後孔に舌を這わせた。 きゅっと窄まったそこのシワに丹念に舌を這わせると控えめな喘ぎ声が洩れるのが愉しく嬉しかった。 袋から下に伸びる線のような箇所にも舌を這わせると肩を掴んでいる手が震えた。 「ここも好き?」 ちゅと吸い付きながら斎藤が聞くと肩から頬に移された手がそっと撫で、紫音が身体を起こす。 斎藤は後孔を指で撫でてからゆっくりと二本の指を入れる。 「んっ」 唇を噛んで声を堪えるような紫音に軽くキスをすると紫音が閉じていた瞼をそろそろと開けた。 「あなたが、触れるところ、全部が気持ちいい、好き……」 殺し文句だ、と斎藤は眉を顰めた。 舌を入れ熱い舌と絡めながら指を動かすと濡れた粘着音と共にキスでくぐもった甘える声が洩れた。

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